坂本龍馬のお別れ会を陰で支えた竹スピーカー(2017.3.10/青山葬儀所)

2017年3月10日(金)、青山葬儀所(港区南青山2丁目)にて、坂本龍馬の「お別れ会」が行われました。「ん? 龍馬のお別れ会? 青山で? たしか龍馬の墓は京都じゃなかったっけ?」と思った人は、かなりの龍馬通です。「お別れ会」の詳細は最後にご紹介しますが、このイベントで梅田さんの竹スピーカーが使用される連絡を受け、参加してまいりました。
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<目次>
● 竹スピーカーってなんだ?
● 竹スピーカーが龍馬の「お別れ会」に登場したワケ
● 山本一力さんが話してくれた竹スピーカーの魅力
● 坂本龍馬の「お別れ会」とは
● もっと拡がれ! 竹スピーカーの魅力
● さいごに
● 記録写真
竹スピーカーってなんだ?

まずは簡単に竹スピーカーについて説明しておきますね。
正式には「竹スピーカー Kaguya(かぐや)」という名称で、和歌山県の「ウメダ電器(代表/梅田寛さん)」が創り上げた無指向性スピーカーシステムのことです。
今年の『プレミア和歌山(和歌山県優良県産品推奨制度)』にも選ばれた逸品で、音響構造で特許も取得しているスグレモノです。※2017年2月28日受賞発表・授与式開催
自然の竹がエンクロージャー(筐体こと。一般的なスピーカーは四角い箱)になっています。音響の臨場感は実際に体感してもらうしかありませんが、CDを流すと全身が音で包まれ、目をつぶると生演奏が目の前で行われているような錯覚にとらわれてしまうほどです。
竹は自然素材ですから、ボディには顕微鏡で見ないとわからない無数の「孔」があります。そこから滲み出て響く音は、いわゆる「雑味」が取り除かれ、言いようのないクリアな音色となります。
竹という素材は非常に割れやすいんですが、割れることがない特別な乾留竹(かんりゅうちく)を使用しています。
これ、竹を扱ったことがある人間からすると「ありえない!」って話です。私も最初は梅田さんが「絶対に割れません!」と自信を持っておっしゃっていたのを信じられませんでした・・・しかし、実際に現物を預ってイベント等で使用し続けていますが、本当に割れません。割れる気配すらありません。これは凄いことです。本当にビックリです。
竹スピーカーを体感したミュージシャンの声を紹介しておきます。
「ジャンベの皮を指で優しくさすった音すらもリアルに増幅してくれるので、演奏者のモニターとして使っても抜群にいいね! 気持ちいいよ、これは!」。
竹スピーカーとのコラボライブを何回か行っているベルリン在住のジャンベ奏者、藤川清さんからもお墨付きをいただいております。
私としては、和っぽい楽器の演奏会で自然音を流すのに使ったりもしたいと思っています。使えば使うほど魅力的な顔を見せてくれる竹スピーカー。その可能性には驚かされます。
ついつい、竹スピーカーのことを書き出すと長くなってしまいます。最後に私と梅田さんの関係だけを簡単にお伝えして、龍馬の「お別れ会」について書きますね。
梅田さんの竹スピーカーは2016年4月の『ハート・トゥ・アート』に登場。日本で唯一の「竹による音響アート作品」という形でご紹介させていただきました。「スピーカーがアート?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、私からすれば梅田さんの生き様が具現化されたもの。まさに私の考えているアートそのものといえます。
その前から竹つながりで梅田さんとはSNSを通じて知り合いだったのですが、実際にイベントに登場してくださったときには感無量でした。

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竹スピーカーが龍馬の「お別れ会」に登場したワケ

私が梅田さんから龍馬の「お別れ会」に竹スピーカーが使用される連絡をいただいたのは、本番の一週間前ほどのこと。どうやらその経緯は、梅田さんご本人もビックリの急展開だったようです。
きっかけは先程紹介した『プレミア和歌山』の応援団の一人、作家の山本一力さんが2月の内覧会で出会った梅田さんの竹スピーカーに惚れ込んだため。
出会ったばかりにもかかわらず、ご自身が講演を行う予定のイベントで竹スピーカーを使ってみてはどうかと声をかけてくださったそうです。
タイミング的にはイベント開催直前だったわけですが、すぐ対応してしまう梅田さんの行動力もお見事です。
※第126回直木賞を『あかね空』で受賞した山本一力さんの著作はこちらをご覧になってください。

山本一力さんが話してくれた竹スピーカーの魅力

講演会は山本さんによる龍馬賛歌。
話の中で印象に残ったのは「大事な局面に居合わせるできる星の強さ」「物事を決める際、公を先に立たせる心の豊かさ」「(おそらく環境の中で育まれたと思われる)お金の使い方」といった部分。
いい話でした。
締めの部分で山本さんは「月琴の音響を竹スピーカーで再生したいという私の希望に対して、梅田さんは手弁当でやって来てくれたんです!」と、梅田さんの行動力を龍馬の行動力と重ね合わせて褒め称えていました。
イベント終了後、あちこちから引っ張りだこの山本さんをやっとのことで捕まえると、キリリとした眼差しで梅田さんの竹スピーカーの魅力について話してくれました。
「竹をエンクロージャーにしたスピーカーの響き自体、とても素晴らしいものですね。しかし、それだけではありません。モノ作りには作り手の性格が出てしまうものなんです。このスピーカーは梅田さんの清い心の結晶です。他の人が作っても同じように響かすことはできないでしょう」。
そしてバタバタと梅田さん、山本さんの奥様を交えて記念撮影。もちろん中央には竹スピーカーを。サイズ感が伝わりましたでしょうか?

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坂本龍馬の「お別れ会」とは

この会はお別れ会のプロデュースサービス「Story(ストーリー)」が企画したイベントで、龍馬の妻・おりょうさんが依頼したという設定で行われたものでした。
「Story(ストーリー)」というのは出版社の鎌倉新書さんの手がける事業のひとつです。PR担当の方と少し話をさせていただきましたが、出版からセミナー、イベントなど、幅広く「葬儀」に関して手がけてらっしゃるようです。出版部門がエンジンだとしたら、こういった企画は駆動力になりますね。
私も本業は編集者。天然キャラと器用貧乏な部分だけを駆使して紙媒体の世界で生きてきました。意識的にアート的なことと自分の仕事は切り分けてきたわけですが、さすがに現状の限界を感じています。そういった部分でも刺激になった会でした。
会場となった青山葬儀所に足を踏み入れると、式場中央には鹿児島の霧島連山をイメージした生花祭壇が堂々と配置され、凛々しい龍馬のパネルがそそり立っておりました。来場者は抽選で選ばれた100名程度の方々。参列者の中には「えっ? 龍馬のコスプレなの??」といった威風堂々とした方もいらっしゃいました。
会では山本さんの講演だけではなく、全員で龍馬へ献酒を行う儀式が行われ、さらには土佐の郷土料理や名酒までもが振る舞われました。あっという間のゴージャスな2時間で、私もご褒美をいただいた気分になりました(取材名目でうかがったので、横目で眺めるだけでしたが……)。

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もっと拡がれ! 竹スピーカーの魅力

会場で梅田さんは引っ張りだこになっていました。マスコミの取材も来ていたようですので、どこかで記事を目にされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回、使われた竹スピーカーは2本。サブとして音響サポートをしていたので、その魅力は伝わりにくかったかもしれませんが、おりょうさんが弾いていたという月琴の生演奏がナチュラルに会場に響いていたと思います。
前日のセッティングの際に竹スピーカーだけを鳴らしてみたそうですが、2本だけでも音の拡がりは素晴らしかったそうです。
梅田さんに紹介していただき、月琴奏者の永田斉子さんとも少し話をする機会に恵まれました。永田さんは朗読音楽会などを企画されているので、いつか竹スピーカーでご一緒できることがあるかもしれません。
竹スピーカーの魅力が少しでも拡がっていくことを願うばかりです。

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さいごに

会場では和歌山県東京事務所の方ともお話をさせてもらいました。
和歌山県といえば、パンダや霊場が思い浮かびます。私がこの世で尊敬するトップ10の中に入る弘法大師が開いた高野山もあります。そういった聖地で竹スピーカーを8本、16本と並べ、魂を揺さぶるようなプリミティブな催しができたらいいなぁ。。。なんて夢を持っています。
東京で竹スピーカーを使用する際に、和歌山県の情報(アート関連とか)なども合わせて発信するのもいいですね。
じつはまだ手探り状態ですが、竹スピーカーとジャンベの藤川清さんのコラボで和歌山県でライブを開催しようというプランが出ています。そんな夢の扉がぼんやりと視界に入ってきたような気にもさせられました。
『プレミア和歌山』の審査委員長を務めた残間里江子さんの事務所の方もいらっしゃってました。
残間さんといえば山口百恵さんの『蒼い時』をプロデュースしたことで有名です。現在も大人世代のネットワーク「club willbe」の代表などをはじめ、多方面で活躍されているようです。
同郷(宮城県)という部分もあり、心に引っかかっていた有名人の一人ですが、いいタイミングで昔を思い出すきっかけにもなりました。
梅田さんと山本一力さんのツーショット写真を撮りたいが一心でお邪魔した龍馬の「お別れ会」でしたが、結果的には自分にとって非常に有意義な時間となりました。
青山葬儀所もいい空間でした。ああいう空間でなにかできたら面白いでしょうねぇ。
(おしまい)
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竹スピーカーの活躍の場を拡げるために微力ながら『ハート・トゥ・アート』もサポートさせてもらっています。現在、藤川清さんがベルギーから戻ってきていますので、3月末〜4月のライブで合流する予定です。出動の際には『ハート・トゥ・アート』facebookページなどでお知らせさせていただきます。
また竹スピーカー出張(運送&機材セッティングなど、できるだけ最低限の費用でお持ちします)、ショールームでのある程度の長期レンタルも承ります。気になった方はお問い合わせください。

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