2025年 4月5日(土)・6日(日)、成城学園前「アトリエ第Q藝術」にて『動体G+ダンスの犬ALL IS FULL 偶然と必然 その間』が行われます。この公演は2024年12月に行われた「それぞれの時間✕11」の進化形となる公演です。人数が多い出演者の関係性が刺激的な企画で、全体を見ても出演者個別を見ても楽しめるものです。「一粒で二度おいしい」というグリコのコピーがありましたが、この公演は「一度で何度もおいしい」といった感じです。
まずはイメージ画像から。
こちらです。
2024年12月公演「それぞれの時間✕11」はどのようなものだったのか
まずは2024年12月に行われた「それぞれの時間✕11」について『ハート・トゥ・アート』のFacebookページで投稿した感想を貼っておきます。
こちらです。
念のため文章を抜き出しておきます。
2024年12月22日(日)、深谷正子『動体観察2Daysシリーズ 12月版』初日〜「それぞれの時間 × 11」(動体G)。毎月末に行われている深谷さんのスタジオでのワークショプに参加している方々による公演。決して広い空間とはいえないストライプハウス・スペースDでの11名による群舞。一人お休みで10名となったが、それでも過密な印象。公演時間は1時間20分ほど。開演前に深谷さんが「70分くらいかな」と話していたのを耳にしていたので、予定よりも長めで着地。そもそも大人数なので、個の動きを追いきれなかった。見逃しも多かったが、簡単な感想を。
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ダンサー、ミュージシャンなど、それぞれ背景が異なる出演者たちが自由自在に動く。キーマンは終始動き続けた玉内集子さん、津田犬太郎さんあたりか。お二人の重心の低い動きが力強い。タッパがある三浦宏予さん&宮保恵さんのダイナミックでしなやかな動きが空間に躍動感を生み出す。アフリカンダンスをされている影響なのか、梅澤妃美さんが独特のリズム感ある動きを入れ込んでくる。ダンサーではないのだが、富士栄秀也さん&やましんさんが存在感を放つ。本人的にどこまで意識したのかわからないが、全体の踊りの隙間を埋めていくような秦真紀子さん。斉藤直子さんは途中で何かが変わったのだろうか? 後半からの動きに目を奪われていった。木檜朱実さんは独自の思考をしっかりと表現している雰囲気。
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私的には出演者同士がどのように関係性を深め、どのような一体感を出していくのかが今回の鑑賞ポイントだった。しかし、全員が同じ動きをする場面はあったけれど、タイトル通り “ それぞれ ” 感が強かった気がする。もちろんバラバラという意味ではないし、悪い意味で言っているのでもない。それぞれが違う動きをする中での関係性が見たかったのだが、その点では玉内さんと津田さん、秦さんとやましんさんがシンクロしたような気にさせられた部分があったくらいか。全員が同じ動きをする部分を強調させるために、意識的に関係性を出さない動きをしていたのかもしれない。
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関係性という部分でいえば、開始から30分ほど過ぎたあたり。出演者が縦一列に並んで先頭の人が入れ替わるシーンが一体感を生み出すハイライトのひとつだったか。先頭の人が背後の人に身を預けて倒れ込み、後ろに移動していくというもの。前の人が後ろから押されて踏ん張っているのか、倒れそうな前の人を後ろの人が押さえているのかの判別ができず。見ながら「どっちなんだ?」と気になってしまった。いや、きっと、どっちでもいいのだろう。記憶を辿ると、他には “ 倒れる ” “ 起きる ” “ 叩く ”という動きが浮かんでくる。大人数だからこそ一連の反復行為にグルーブ感(一体感による強度?)を求めた部分もあったが、そもそもそこは狙ってなかったのかもしれない。
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やはり触れておかないといけないのが、小道具のピンポン玉のインパクト。ラストで演者各自が100個以上、トータルで1000個以上のピンポン玉を舞台にぶちまけるシーンは圧巻だった。さらにそこで終わらずにピンポン玉が入っていたビニールバッグを顔に被り、そこにピンポン玉を入れ込んでいく。想定外の「ピンポン玉人間」の誕生は強烈だった。高揚感を鎮めるようにビリー・ホリデイの歌声とサエグサユキオ氏の加工した電子音をミックスさせたサウンドがフェードインからフェードアウト。余韻を残して終了。正確には1時間24分ほどの公演。
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本日23日『動体観察2Daysシリーズ』2日目は、伊藤壮太郎氏を迎えての「境界点のブイ」。楽しみ。まだ少し席はあるはず。ぜひ! 詳細:https://www.facebook.com/events/1626728028249831
「他者」と「自己」の思考が絡み合って展開される『人間の多様性』
今回のフライヤーに載っているメッセージをご紹介します。
こちらです。
昨年12月に行った「それぞれの時間✕11」。場所を第Q藝術に移し進化させた作品。深谷の振付は基本、構成とそれぞれの関係性、時間進行の大枠を提示、自分の身体の在り方はその瞬間の自分が決定する。事の次第は全て得然でもあり、必然でもあると突き放す事が「今」「ここ」を生み出す。有機的関係が、どのような物語が紡ぎ出されるのかやってみなければわからない。
この中で私が重要視したい言葉は、「有機的関係」です。
「有機的関係」とはどんなものなのか?
私は出演者それぞれが単に関係を持つのではなく、自己の『有機的肉体』を生み出した上で関係を持つことが「有機的関係」だと考えます。
では、『有機的肉体』とは何なのか?
ここ最近、深谷正子さんの公演を拝見していると、『極限までご自身を追い込み、目視できないご自身の精神を深い闇の中から見つけ、ありのままに観客に差し出そうとしている』と強く感じさせられます。結果として生み出される “ 生の深谷さん ” の姿の発露(肉体の目視化)は光となり、観客である私たちの心を大きく揺さぶります。
このような技術的なものを超越した肉体の動きこそが『有機的肉体』なのではないでしょうか。
今回の公演で出演者がどのような『有機的肉体』を見せてくれるでしょうか。私は混在する『有機的肉体』の中からどのような「有機的関係」が生まれるかを感じ取りたいです。もう少し簡単な言葉で言い換えると、「他者」と「自己」の思考の絡み合いで生まれる『人間の多様性(物語)』を感じたいといったところでしょうか。いや、この説明も簡単な言葉になってないか。。。
2日間の2回公演ですが、私は日曜日しか行けなさそうです。こういう公演こそ両方見ると面白いんですけどねー。もし余力がある方は、2回見ることをおすすめします。
前回の公演と今回で大きく異なる部分は?
前回はストライプハウスギャラリーのDフロアで行われましたが、今回は会場をアトリエ第Q藝術へと移しての公演となります。
ストライプハウスギャラリーのDフロアは密室性が高い空間ですが、アトリエ第Q藝術はもっと開放感のある空間です。これによって出演者の動きは全体的に振り幅が大きくなるでしょうし、気持ちも解放しやすくなると思われます。
照明はホームグラウンドでの早川誠司さんによるオペレーションです。どのような後押しになるのか楽しみです。もしかすると早川さんの照明は11人目の出演者といった存在となる可能性もあります。
見どころの多い公演なので、ぜひ!
<公演詳細>
『 動体G+ダンスの犬ALL IS FULL 偶然と必然 その間 』
開催日:2025年4月5日(土)・6日(日)
時間:17:00〜(5日)/16:00〜(6日)
※開演時間が異なりますの、ご注意ください。
Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/1313919713245180/
会場:アトリエ第Q藝術
住所:東京都世田谷区成城2-38-16
会場公式サイト:https://www.seijoatelierq.com/
会場マップ:https://www.seijoatelierq.com/map
アクセス:小田急線「成城学園前駅」より徒歩約3分
料金:3,000円
チケット予約・お問い合わせ:
090-1661-8045
dancewingwing@gmail.com
もしくは出演者へのメッセンジャーなど
出演:
梅澤妃美
木檜朱実
斉藤直子
玉内集子
津田犬太郎
西脇さとみ
秦真紀子
三浦宏予
宮保恵
吉村政信
照明:早川誠司
音響:曽我類子
STFF:友井川由衣
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