文学とダンスvol.7  11月4日開催〜アトリエ第Q藝術にて

2024年11月04日(月・祝)に『文学とダンスvol.7』が行われます。3人のダンサーそれぞれが物語を朗読し、踊るといった内容です。ひとつの公演の中で3つの物語が展開される構成です。踊りに言葉があると、見る側の受け入れ方もちがってくるでしょう。事前に物語を予習しておくのも悪くなさそうです。今回は第7回目となる人気企画で、残席わずか……もしくは完売しているかもしれません。気になる方はお問い合わせください(下記Facebookイベントページ参照)。

Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/503749229112985

 

 

それぞれの朗読作品について

フライヤーには萩原朔太郎の詩集『青猫』の中におさめられた「月夜」が印刷されていました。『青猫(アオネコ)』とは「物憂げなる猫」といったニュアンス。「青」には憂鬱な意味が含まれています。『青猫』は第一詩集『月に吠える』を出してから6年後にようやく発表された詩集です。本来は『憂鬱なる』というタイトルにするつもりだったようです。しかし他に「憂鬱」という言葉を付けた小説や詩集が発売されたことで、変更するに至りました。

 

「月夜」
重たいおほきな羽をばたばたして
ああ なんといふ弱弱しい心臟の所有者だ。
花瓦斯のやうな明るい月夜に
白くながれてゆく生物の群をみよ
そのしづかな方角をみよ
この生物のもつひとつのせつなる情緒をみよ
あかるい花瓦斯のやうな月夜に
ああ なんといふ悲しげな いぢらしい蝶類の騷擾だ。

 

・ ・ ・

 

10月26日には3人が朗読する作品が発表されました。以下のとおりです。

 

朗読作品:
三浦一壮 坂井眞理子著「一枚の皿」
石丸麻子 押井守著「迷宮物件 file538」
南阿豆  堀辰雄著「風立ちぬ」

 

「一枚の皿」は。画家の坂井眞理子さんによる幻想童話。『見えない世界を見る: 幻想童話集』に収められています。押井守さんの「迷宮物件 file538」はアニメだけだった気もしますが、詳しくはわかりません(注1)。堀辰雄の「風立ちぬ」は有名ですね。

 

それぞれのチョイス作品は面白そうです。どのあたりを抜粋してくるのかも気になるところです。

繰り返しますが、残席少ないらしいので、気になる方は急いでお問い合わせください。

 

(注1)押井さんの作品について石丸さんから教えていただきました。今回は押井守さんのOVAのアニメの脚本を読むそうです。押井さんの作品は朗読作品向けの脚本が多いのが特徴らしいです。押井さんの実の姉でもある舞踏家の最上和子さん経由で許可をいただいたそうです。最上さんと押井さんとの対談本『身体のリアル』https://amzn.to/3C8KJZu)が出版されているので、興味のある方はぜひ! 実際、「迷宮物件 file538」という作品はかなり支持されていますので、押井作品にあまり触れてない方にとってはインパクトがあるはずです。

 

 

出演者プロフィール

三浦一壮(Isso Miura)
1937年5月24日北朝鮮平城生まれ。及川廣言、大野一雄、安堂信也に師事。1965年「傾斜の存在」で初舞台。1989年活動休止。2018年アトリエ第Q藝術での「除夜舞41」に参加し再活動。主な海外での活動に1975年Nancy演劇祭、1977年Nancy演劇祭に「Butohsha」として参加。1974年インターナショナルワークショップ・フェスティバル(イタリア・ベルガモ)。以降フランス、ポーランドを中心にヨーロッパ各地を巡る。2018年ラテンアメリカペルーのアヤクーチョミーティングに参加。2020年アヤクーチョ・リマ・ミーティングに参加。2022年ケルン、パリ、セビリアにて活動。国内では2023年「バラ色ダンス」京都、沖縄公演など。

 

石丸麻子(Asako Ishimaru)
2歳よりクラシックバレエを始める。1988年よりモダンダンスを山田奈々子に師事。多数の山田作品に出演。門下生メンバーで構成されたグループASMRでは作・演出を担当し、有名アーティストのMVにも振付出演。山田奈々子亡き後、元メンバーと共にスタジオnを立ち上げ代表を務める。3歳から80歳の幅広い年齢の生徒達と共に、楽しいダンスを追求している。近年企画・プロデュースした主な公演・山田奈々子メモリアル公演(2023年・俳優座劇場)からだとこえの会(2020年~・カフェムリウイ)

 

南阿豆(Azu Minami)
武蔵野美術大学卒。東日本大震災の翌年、自身の手術の傷跡と震災の傷跡をイメージして制作したソロ舞踏作品シリーズ『Scar TissueⅠ』と『Scar TissueⅡ』で第44回日本舞踊批評家協会新人賞を受賞。2022年『Scar TissueⅣ~消えた傷跡~』にて、韓国のNDA(New Dance for Asia)国際フェスティバルで準優勝に相当するNDA賞を受賞。月一で中野の多目的なスペース”水性”にて『朝の舞踏LABO』開催。

 

 

<公演詳細>

『 文学とダンスvol.7 』
開催日:2024年11月4日(月・祝)
時間:18:30(開場 18:00)終演後に懇親会有
料金:2,500円(予約優先)
会場:アトリエ第Q藝術(東京都世田谷区成城2-38-16)
会場公式サイト:https://www.seijoatelierq.com/

出演:三浦一壮・石丸麻子・南阿豆
スタッフ:早川誠司・高山尚紀
絵画:高山八重
主催:アトリエ第Q藝術

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