動体観察 2Daysシリーズ 10月版「極私的ダンス(深谷正子)」「音と身体(山㟁直人・やましん・富士栄秀也)」

毎月22日、23日の2日間に渡って行われている『動体観察 2Daysシリーズ』。22日は深谷正子さんのソロダンス、23日はゲストダンサーを迎えての公演です。

 

動体観察 2Daysシリーズ 10月版「極私的ダンス(深谷正子)」「音と身体(山㟁直人・やましん・富士栄秀也)」2024年10月22日(火)・23日(水)

動体観察 2Daysシリーズ 10月版「極私的ダンス(深谷正子)」「音と身体(山㟁直人・やましん・富士栄秀也)」2024年10月22日(火)・23日(水)
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深谷さんのソロが毎回注目なのは言うまでもありませんが、今回の「23日ゲストダンサーDay」は、かなり注目です。なぜかというと踊りをメインにしている方々ではなく、音を生み出している3人による即興パフォーマンスだからです。

 

異質のように感じますが、音を出すこと自体が身体行為です。冷静に考えると、身体行為と音がセットになるわけですから、面白くなるに決まっています。

 


 

登場する3人のプロフィールはチラシに書かれていますが、さらに少し検索しつつ、展開を少し予想してみました。

まずnaked voiceの富士栄秀也さん。ヴォイスパフォーマーですが、ダンスをはじめ多種多様の公演を鬼のように見てきた方です。引き出しの数の多さはかなりのものです。深谷正子さんや永田砂知子さんに傾倒されていることからわかるように、スタンスは本物志向。なおかつかつストイックな理論派です。そして、なんといっても10月14日開催『美術と即興』の共同企画者です。いい公演だったこともあり、熱が冷めないままに、いや、気持ちをさらに高めて本番を迎えるのではないでしょうか。他の2人は楽器です。正面切って声で対抗し続けるのはハードのような気もします。いなしたり、すかしたり、リードしたり、変幻自在に場をかき回しながら即興の醍醐味を増幅させていくのではないでしょうか。

 

つづいて山㟁直人さん。音楽以前の音楽を探求されているそうです。音楽以前の音楽……少しやっかいですね。例えばメロディーもリズムもないような音から生み出される感動体験みたいなものでしょうか。世の中には音が溢れていますし、そもそも音には自分の中に眠っている記憶や感情を引き出すパワーがあります。共演者の記憶や感情を引き出し、音と身体で対話するような雰囲気になったら面白そうな気もします。つか、そもそも「音と身体で対話する」って意味不明な言葉ですよね。ごめんなさい。こういう抽象的な言葉を安易に使ってはいけません。海外経験も豊富で、ジャンルを問わずにさまざまアーティストたちと共演してきた方らしいので、とにかく音での語りかけに注目しようと思います。

 

ラストは、やましん(山崎慎一郎)さん。「兼業音楽家」という肩書をあえて付けていらっしゃいます。現在は児童発達センターの指導員の仕事と音楽活動を両立されているようです。身体表現を中心に活動する当事者団体に関わったことをきっかけにして、さらに移動支援そして行動援護の資格を取得して支援の世界に深く関わるようになったらしいです。いわば、コミュニケーションのプロです。使う楽器はバンジョーやソプラノサックスなど。どちらも軽快な印象の楽器です。ガチガチの緊迫感の中に、ホッとするような一服の清涼剤的なインパクトを残しそうな気配を感じます。

 

勝手な予想をしましたが、深谷さんがどのように演出するかが楽しみです。

 


「音と身体」出演者のメッセージ

 

「音と身体」に出演する富士栄秀也さんが紹介記事にコメントをしてくださったので紹介します。

わたしは兎も角、山㟁さんは、とんでもなく素晴らしいと思います。深谷さんとの初共演(注1)、観てきたのですが、少なくとも、前半はリードされてました!あの、深谷さんをですよ。まあ、実力は帰国時から存じ上げたにせよ。深谷正子振付で、やましん、富士栄と言うのは、8年くらい前に、ストライプハウスで一度、身体のデュオとして、高評価を戴いております(注2)。踊れない二人の、まだ、爺さんになってない、おっさんが、頑張りました^_^。二人の思い切りの良さを玉内さんに褒めて戴きました。と言うか、それしか無いから! オファー時点では、そこにパーカッションの山㟁さんが入る、なるほど、と思ってたんですが、豈図らんや、やましんさん、富士栄は音も出す! まあ、やましんさんとの音の共演はなかった様に記憶してますが、26年くらいのお付き合いの中で、ワークショップやセッションとかでは数え切れないくらいご一緒してるので、どうにでもなりますよね^_^ 問題は、生音の響きだけです。理想を言えば、生音1:アンプ9くらいの割合でやりたいですけど、遉にそれは難しくて、3:7くらいになりそうですが、途中、身体のみの時間帯が20〜30%くらいは有るでしょうから、まあ、なんとかなるのかな?って感じです。楽しみにしてます^_^ 宜しくお願いします^_^

(注1)2024年6月15日(土)に世田谷区祖師谷にある「ムリウイ」で行われた公演だと思われます。検索すると映像が出てきましたので貼っておきます。

 

(注2)2015年7月7日(火)に六本木ストライプハウスで行われた玉内公一さんの写真展『深谷正子 ダンスの犬へ』会場で催された深谷正子さんの『宙づりというサスペンス』公演で行われました。北里義之さんが写真入りで投稿されているので、埋め込んでおきます。

 

やましん(山崎 慎一郎)さんも投稿されていたので、こちらも許可をいただいて転載しておきます。

深谷正子さんが動体観察 2days シリーズを展開させている。毎月22日を深谷さんのソロ、23日をゲストダンサーもしくは身体表現者という組み合わせで12月まで開催している。私は22日(火)に開催される深谷さんのソロを久しぶりに観る。深谷さんのソロを観ると、この人はここまでやるのにオレは一体何をやっているんだ?といつも天を仰ぐ。

続く23日は「音と身体」というテーマだ。シリーズ中では異色の会。そしてなんと私も出演! 山㟁直人さんのパーカッション、冨士栄秀也さんのヴォイスというおそらく絶対にあり得ないだろうトリオをやる。

山㟁さん、冨士栄さんはよく知っている。もちろんリスペクトしている。でもまさか一緒に本番をするというのは両氏も想像してなかったのでは?

私と言えば『宇宙船レッド・ドワーフ号』(注3)で冷凍を解除されたリスターが「俺たちどこに行くの?」という途方に暮れる気持ちを理解しつつ、ジョルジュ・ドン(注4)が踊る『ボレロ』のマネをしているが全く覚えられない。ダンサーにすごく憧れている私は身の程知らずの阿呆です(ウソ)

(注3)『宇宙船レッド・ドワーフ号(Red Dwarf)』は1988年2月15日から1999年4月8日にかけてBBCで製作されたSFコメディテレビドラマです。宇宙船に猫を隠し持ち込んだリスターは冷凍保存による謹慎を命じられてしまいます。やっと冷凍を解除されて目覚めたリスターは、コンピューターから謹慎されたときから300万年も経っており、他の乗組員は全員死亡していることを告げられて途方に暮れてしまいます。

こちらが第1話『それは終わりから始まった(The End)』らしいです。

 

(注4)ジョルジュ・ドンはアルゼンチン出身のバレエダンサー。45歳でこの世を去りました(1992年)。原因はエイズ。第4回世界バレエ・フェスティバルでのジョルジュ・ドンのインタビューと踊りの映像を貼っておきます。「(続けるのに壁を感じたことは?)毎日です。踊りは職業ではなく情熱です」。冒頭のインタビューに答える真摯でエキゾチックな眼差しが素晴らしいです。

 

 


<公演詳細>
『動体観察 2Daysシリーズ』

開催日:2024年10月22日(火)・23日(水)
時間:19:00(開場 18:30〜18:45頃)
料金:3,500円(23日とのペアー料金 5,000円)

内容:
22日:極私的ダンス(深谷正子)
23日:音と身体(山㟁直人・やましん・富士栄秀也)

会場:ストライプハウスギャラリー スペースD(東京都港区六本木5-10-33)
公式サイト:https://striped-house.com/
アクセス:東京メトロ「六本木駅」3番出口から徒歩約4分
Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/1121900055776919/1121900075776917?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22extra_data%22%3A%22%22%2C%22mechanism%22%3A%22unknown%22%2C%22surface%22%3A%22home%22%7D%2C%7B%22extra_data%22%3A%22%22%2C%22mechanism%22%3A%22surface%22%2C%22surface%22%3A%22permalink%22%7D%2C%7B%22extra_data%22%3A%22%22%2C%22mechanism%22%3A%22surface%22%2C%22surface%22%3A%22permalink%22%7D]%2C%22ref_notif_type%22%3Anull%7D

予約・お問い合わせ:上記Facebookイベントページ、もしくは本人に直接

 

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