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【 深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。 】成城学園前「アトリエ第Q藝術」/2023年12月10日

投稿日:2023-12-11 更新日:

【 深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。 】成城学園前「アトリエ第Q藝術」/2023年12月10日

2023年12月10日(日)、成城学園前「アトリエ第Q藝術 B1セラー」にて『深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。』が行われました。

 

 

熱かった! とても熱い公演でした。

 

 

高ぶった気持ちにさせられた深谷正子さんと永田砂知子さんの初遭遇でした。

 

今回は何度かに分けて感情と事実を残しておくことにします。

 



 

 

熱い気持ちが交差する! 観ている私が体力負けした1時間

なんとしても熱いうちに伝えておく必要がある!

 

深谷さんと永田さんのパフォーマンスは非常に刺激的で、布団に入ってからも興奮が収まらず、しばらく寝付けませんでした(苦笑)。

 

今回は「すごかった」「熱かった」だけでは終わらせたくないので、公演で感じたこと、公演で起きたこと、公演前のこと、などを追記しながら書き連ねていきます。そんな気持ちにさせられました。

 

忘れてしまいそうなので最初に書いておきますが、企画された富士栄秀也さんに感謝、そしてスタッフ関係者のみなさんお疲れ様でした。

 

 

・ ・ ・

 

 

会場は「アトリエ第Q藝術・B1セラー」。幅3m×高さ1.5mほどの大きな出窓が特長の地下空間。広さは16〜17畳程度。ここに20名ほどの客席が設置されており、パフォーマンス空間は8畳程度。照明はサイドスポットが3灯、フットライトが1灯。シンプルな構成で生身の身体と生身の音に集中できるスタイル。出窓からは無機質なドライエリアに鉄骨階段がかけられているのが見える。右上には屋外照明。浮かび上がっている階段の左斜め方向のストライプの影。16時の開演時間が近づくと日も暮れ始め、徐々に濃くなっていく。

 

【 深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。 】成城学園前「アトリエ第Q藝術」/2023年12月10日

↑別画面で開くと画像は拡大されます。

 

 

そして開演。

 

 

静かに、厳かに波紋音を奏でる永田さん、そして階段から登場する深谷さん。スタートしてからドライエリアから出窓部分での動きが30分ほど続く(時間は見ていない。あくまで体感)。

 

この出窓部分でのパフォーマンス後半からの10分程度が私にとっては最大のハイライトだった。

 

外からゆっくりと窓を開けて侵入していくる深谷さん。出窓部分での動きが続く。そのときの私の関心は「どこで床に降りるのか? どういった身体表現で場面転換するのか?」の一点のみだった。

 

写真を見てもらうとわかるが、出窓の幅は狭いが、最高の額縁舞台。しかも室内の照明と日暮れと共に変化する外光の二重効果。静的ではあるが、身体中にエネルギーがジワリジワリと溜まっていくような動き。

 

観ているこちらも、いつしか息を止めた緊張状態になる。そんな緊張状態が高まったタイミングで、スッと身体の中に芯が現れたような気配が深谷さんから立ち上がる。永田さんの波紋音に呼応するように身体を、そして指を小刻みにわらわらと動かしていく。

 

「ここで床に降りて、静的な動きから激しい動きへと転換するのだろう」、と感じたのだが……。

 

 

 

ここからがハイライト。

 

 

 

永田さんが深谷さんの動きを後押しするように大きな波紋音を打ち鳴らす。一定のリズムをキープしながら打つ、打つ、打つ。

ポジション的に永田さんの左奥に深谷さん。深谷さんの動きを目視しにくい永田さんは深谷さんの気配に集中しながら叩く、叩く、叩く。

 

 

しかし深谷さんは出窓からは降りない。首を瞬間的に後ろに仰け反らせるアクション、そして狭いスペースで仰臥位からの四肢の浮遊。

 

 

この間、永田さんの激しいリズムが続く。止まらない。

 

 

「えっ? 深谷さんが降りるまで永田さんは打ち続けるつもり?」

 

 

バチが激しく撥ねる、撥ねる、撥ねる。

 

 

深谷さんと永田さんの二人は戦っているわけではないが、観ている私の目には二人の根比べ、……激しい二人だけの “ 私闘 ” のようにすら映った。繰り返すが、もちろん戦いという物騒なものではなく、あくまで私の感情での話。

 

この時点で体感的に30分程度経過したタイミング。

 

「これ、まさか永田さん、最後まで叩き続けるつもりなのか?」

 

それほどに熱い永田さんのパフォーマンスだった。

 

 

そして時間にして何分くらいか。10分ほどか。ここで永田さんが大波紋音の連打をカットアウト。もちろん永田さんが根負けしたというのではなく、公演を成立させるためには、叩き続けるわけにはいかない。きっと、そんな冷静な判断が働いたのだろう。

このタイミングで富士栄さんが屋外照明を消す。見事なタイミング。

 

 

ここで深谷さんはスッと床に降りて場面転換になるかと思いきや、降りる気配は感じられない。

 

 

「永田さんはどう出るのか?」

 

 

そんなことを思うやいなや、2つの小さな波紋音をバチで激しく打ち付ける。なんとアグレッシブ! 凄まじい音量。混在する音色。さらに小さな波紋音を寄り添わせて横から打つ。いや、もはや打つといよりも、衝くといったところか。複数の波紋音がつながっていることで、複雑な音のディレイ感と残響が空間を支配する。かなりの荒業。

 

 

ここで深谷さんが床へ。

 

 

しかし永田さんの激しさはエスカレート。止まらない。バチで打つだけではなく、両手に波紋音を持ってさらに激しく擦り付ける。2つ、3つと打ち付けていく。ゴリゴリとぶつけ合わせていく。挙句の果てには、なんと床にズドンと落とす。混沌としたサウンドが充満する。

 

 

「いやはや、こんな激しい永田さんは初めて見たよ」

 

 

終演後にご本人も(波紋音をゴリゴリする行為は)初めて人前でやったとおっしゃっていたが、大波紋音の連打から波紋音を床に落とし当てるまでのパフォーマンスは鬼気迫る凄みがあった。これからも永田さんのパフォーマンスを何度も観るだろうが、このパフォーマンスは二度と見れないかもしれない。

 

すっかり永田さん寄りの話になってしまった。

 

この間の深谷さんは黒のドレスを頭まですっぽり被り蠢いていた。その蠢きは、まるで蛹が羽化するような姿にも見えた。

 

深谷さんのことはあらためて書くが、もはや深谷さんは、深谷正子という存在を超えた “ 肉体と魂の塊 ” のようにさえ見えた。

 

まばたきひとつしない集中力と緊張感の維持には舌を巻いた。

 

遥か彼方に向けられた視線、言葉にならない世界を見つめている眼差しの奥行きに引き込まれた。

 

私は芝居をしていた頃があるが、演出家に「まばたきは絶対にするな。本人も観てる側も緊張感が切れる」と口を酸っぱくして言われ続けていたことが蘇った。

そして遥か昔に李麗仙の舞台で感じた生々しい生命の塊のような存在感(あくまで当時の記憶の断片)とシンクロした。

 

舞台が暗転し、公演はきっかり1時間で終了。

 

・ ・ ・

 

終了の挨拶を確認した後に息をゆっくりと吐き出し、緊張感からの心地よい解放へと弛緩した気分。

完全に観ていた私自身が体力負けした1時間でした。

 

先輩お二人の内在する凄まじいエネルギーに「凄かった!」と感想を書くだけではあまりにも悔しい(笑)ので、まずは公演で感じたことを書き殴りました。

 

せっかく立ち会あった貴重な機会ですので、さらに時間をみて追記&修正していきたいと思います。また、今回のパフォーマンスは競馬予想にように構成を予測していたので、その辺についても書こうと思います。

 

こちらが予想メモ(モザイク付き)。

【 深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。 】成城学園前「アトリエ第Q藝術」/2023年12月10日

 

 

 

パフォーマンス詳細

「深谷正子 x 永田砂知子、 初共演。」
会期:2023年12月10日(日)
時間:16〜17時
facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/269157315947220

会場:アトリエ第Q藝術 B1セラー
住所:東京都東京都世田谷区成城2-38-16
アクセス:小田急線「成城学園前駅」から徒歩約3分
公式サイト:https://www.seijoatelierq.com/

 

 

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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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