2025年4月21日(月)から30日(水)まで、相馬博 個展『星霜V -混ざり合う光と色彩-』開催中。会場は南青山「GALLERY STORKS(ギャラリーストークス)」です。
まずはDMからご紹介します。
ギャラリーストークスでは5回目の個展
相馬さんの「ギャラリーストークス」での個展は5回目です。前回は……確認すると2022年9月だったんですね。
まずは前回の個展の様子から貼っておきます。
この個展後、相馬さんは吉祥寺美術館(2023年1月)、瑞穂町郷土資料館(2023年6月)の大規模展示へと続いていくこととなります。ある意味では “ 験(げん)がいい ” 展示ともいえそうです。今回の展示が今後のステップになっていけばいいですよね。
奥行きのある世界から、生命の息づく世界へ?
前回の個展のタイトルは「星霜Ⅳ – 光と色とその向こうへ – 」。サークル(円形フレーム状の表現)が代名詞だった相馬さんの作風が変化していく過程に位置する内容でした。
技術と世界観の両輪がうまく噛み合いつつ、表現する宇宙が縦横かつ遠近へと拡張していくような作品は、今後の新たなる展開へと広がる期待感が膨らむものでした。
そして今回。
タイトルは「星霜V -混ざり合う光と色彩-」。
昨年あたりから際立ってきた「流れ」や「滲み」が深化した作品になっているようです。
わかりにくい言い方になりますが、私は昨年あたりから作品が「見る者の心を刺激する景色」から「生命の息づく世界」に変化してきているように感じています。
「生命の息づく世界」というのは、作品自体に意思や感情が内包しているようなイメージ。技術的な多重感、透明感、立体感、粒子の動きなどが、それぞれに意思を持って振る舞い始めているような状態です。
相馬さんが自分の意志で描いているのは間違いありません。しかし、もしかすると『絵によって動かされている割合も増えてきているんじゃないかな?』なんて感じたりもしてきています。
漫画家が「キャラクターが勝手に動き出して、考えていた物語が途中で変わっていく」という話は聞いたことがあると思いますが、そんな感覚に近いものを感じると言えば伝わるでしょうか。
会期中に行ける時間は限られているので、そのへんのところを会って話せればいいんですけど……。
ちなみに相馬さんは全日在廊されているみたいです。
<相馬さん在廊時間>
基本的に「12:00〜」からいらっしゃるみたい。
21日(月)
22日(火)(16:30〜)
23日(水)
24日(木)(16:30〜)
25日(金)(14:00〜)
26日(土)
29日(火)(16:30〜)
30日(水)
Facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/1190670848602761
メルロー=ポンティと相馬博の世界、そしてセザンヌ
ここからは蛇足的な部分です。いつもはこういう部分はカットするんですが、少しだけ載せておきます。
・ ・ ・
先程、漫画家が「キャラクターが勝手に動き出して、考えていた物語が途中で変わっていく」という話を書きましたが、これは「現象学」という哲学で証明されている現象です。
「現象学」とは、先入観を捨てて、自分の内部で起きていることを意識・観察し、新たな現象を形成させていく考え方です。
フッサールが提唱した考え方で、モーリス・メルロー=ポンティというフランスの哲学者が発展させました。
『知覚の現象学』『行動の構造』『眼と精神』『見えるものと見えないもの』(←それぞれのリンクをクリックすると、アマゾンのページに飛びます)などの著作で知られている方です。
メルロー=ポンティは、『作家の描く行為と描かれた世界が交差し、一体化した部分に芸術が生まれる』と考えていたようです。「一体化した部分」は、漫画家の描くキャラが自律していくような現象に近いといえるでしょう。
作家の意思の枠から外れ、予定調和のように描かれていく延長でもない領域です。
相馬さんは職人のようなスタイルで丁寧に実験?を積み重ね、その中でストイックに試行錯誤を続けている作家さんです。だからこそ「現象学」的な世界が生まれやすいと私は感じています。
なんだか難しい文章になってしまいましたね。
ちなみにメルロー=ポンティはセザンヌを高評価していました。セザンヌの “ 在る ” にこだわった絵画空間は、現象学に近いものだと感じていたようです。
これからの相馬博さんの描く世界がどのように変化していくのかはわかりませんが、宇宙や光を超えた表現になっていく可能性を秘めているような気がしています。
そんな話をしても、「そんなことないよー」と一蹴されてしまうかもしれませんが(苦笑)。
ま、かたいことは抜きにして、お時間のある方はぜひ行かれてみてください。
展示詳細
相馬博 個展
「星霜V -混ざり合う光と色彩-」
協賛 Liqutex
開催日:2025年4月21日(月)〜30日(水)
時間:12:00〜19:00(最終日17:00まで)
休廊日:4月27日(日)※作家在廊時間などは記事内を参照
会場:GALLERY STORKS(東京都港区南青山6-2-10 TIビル4F)
電話:03-3797-0856
アクセス:東京メトロ・表参道B1より徒歩約10分
マップ:
https://www.gallery-storks.com/pg119.html
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今回の記事は以上となります。
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