「清澄白河 art lab Melt Meri(メルトメリ)」にて戸島華織×吉岡佑樹「Unleash 第二章・自由へ」が開催中です。会期は2023年10月21日(土)~10月31日(火)です。期間中にはライブパフォーマンス(朗読&ギター)も行われます(21日・28日)。本日28日は17時開演。気になる方はart lab Melt Meriもしくはアーティストへ直接ご確認ください。
目次
Unleashとは、「束縛から解放する、引き起こす」という意味
木彫やテラコッタを中心に制作を続ける戸島華織さん、ギタリスト吉岡佑樹さんの二人によるコラボ展示です。
タイトルは「Unleash 第二章・自由へ」。
Unleashとは、「束縛から解放する、引き起こす」という意味です。
ジャンルに拘らず、自由かつ思うがままに表現活動をされている戸島華織さんは音楽との融合空間を創り出すことに挑戦されています。私は2022年10月に戸島さんと吉岡さんのコラボ展示を拝見していますが、今回はその空間が拡張されているのかもしれません。
ちなみにその時の展示の様子について投稿をしていたので、貼っておきます。
ギターリスト #吉岡佑樹 さんとのコラボ展示。絵画、彫刻、素焼き、映像、音楽などが溶け合う自由な表現空間。あるがままを発し、手が動くままに形づくる……表現の原点に身を任し、自身を解放することで辿り着いた「その先の世界の悦び」が空間に溢れていた https://t.co/lQV9v2XanF pic.twitter.com/6Acw4z1d0b
— ハート・トゥ・アート 🔥 わたなべ (@heart__to__art) October 26, 2022
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今回、戸島さんの展示はミクストメディアとドローイングがメイン。空間に吉岡さんの音楽が流れているといったところでしょうか。
art lab Melt MeriさんのX(旧ツイッター)では展示の様子が投稿されています。いくつか貼っておきます。
Unleash 第二章・自由へ
戸島華織×吉岡佑樹初日
本日は予約制ライブがある為、17-18時の間の入場は出来ませんのでご了承下さいませ。
◆Live
21日(土) / 28日(土) 17時開演
各回¥1,500(1ドリンク付)
*要予約(スペースの都合上、人数制限があります)
お問合せ:art lab Melt Meri https://t.co/0RFf0SqNea pic.twitter.com/G2LOYZw2WS— art lab Melt Meri (@artlab_meltmeri) October 21, 2023
Unleash 第二章・自由へ
戸島華織×吉岡佑樹3日目
ミクストメディア、ドローイング、テラコッタ、そして詩。
ギターの音色でお迎えします。◆Live
28日(土)17時開演/¥1,500(1ドリンク付)
*要予約(スペースの都合上、人数制限があります)
お問合せ:art lab Melt Meri /各アーティスト https://t.co/0RFf0SqNea pic.twitter.com/QfKamBg8th— art lab Melt Meri (@artlab_meltmeri) October 23, 2023
Unleash 第二章・自由へ
戸島華織×吉岡佑樹2日目
戸島華織の創作、吉岡佑樹の音楽の空間。
2人のUnleash を、どうぞご堪能下さい。◆Live
28日(土) 17時開演/¥1,500(1ドリンク付)
*要予約(スペースの都合上、人数制限があります)
お問合せ:art lab Melt Meri /各アーティスト https://t.co/0RFf0SqNea pic.twitter.com/YzMyyHDc5G— art lab Melt Meri (@artlab_meltmeri) October 22, 2023
Unleash 第二章・自由へ
戸島華織×吉岡佑樹5日目
明日は、2回目の朗読&ギターのLive2回目です。
まだ若干名ご予約可能です。
2人の静かなる”解放”を、是非ご堪能下さい。◆Live
28日(土)17時開演/¥1,500(1ドリンク付)
*要予約
お問合せ:art lab Melt Meri /各アーティスト https://t.co/0RFf0SqNea pic.twitter.com/W1A21NG2S2— art lab Melt Meri (@artlab_meltmeri) October 27, 2023
『戸島華織×吉岡佑樹「Unleash 第二章・自由へ」』詳細
『戸島華織×吉岡佑樹「Unleash 第二章・自由へ」』
会期:2023年10月21日(土)~10月31日(火)
時間:13:00〜19:00(最終日17:00まで)
休み:水・木曜
facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/301057822687844
会場:清澄白河 art lab Melt Meri
住所: 東京都江東区白河1-3-13 清洲寮208
アクセス:東京メトロ「清澄白河」駅より徒歩約2分
インスタ:https://www.instagram.com/artlab_meltmeri/
X(ツイッター):https://twitter.com/artlab_meltmeri
マップ:
↑クリックして別画面で開くと拡大されます。
戸島華織×吉岡佑樹「Unleash 第二章・自由へ」 展示の様子
展示にお邪魔したので、その様子をご紹介します。掲載画像は別画面で開くと拡大されます。
では、まずはお二人のプロフィールから。
展示空間では吉岡さんの曲が薄く流されていました。戸島さんの作品を見ているときには気がつかないのですが、フッと息を抜いたタイミングでサウンドがジワリと響き染みてくるといったものでした。
展示の様子は画像で伝えられますが、音は残念ながら伝えられません。そこで吉岡さんの配信リンクを貼っておきます。「吉岡佑樹 バージョン」と「yuki yoshioka バージョン」の2種類あるようです。スロー&ミドルテンポのリラックスサウンドです。せっかくなので、聴きながら記事をご覧になってください。
・吉岡佑樹 バージョン https://www.tunecore.co.jp/artists/yu.ki.g?lang=ja
・yuki yoshioka バージョン https://www.tunecore.co.jp/artists/yuki-yoshioka?lang=ja
◯今回の展示は一年ぶりのコラボ
今回のタイトルは戸島華織×吉岡佑樹「Unleash 第二章・自由へ」。
第二章ということからもわかるように、2度目のコラボ展示です。お二人の初コラボ展示は2022年10月に銀座K’s Galleryで行われからの一年ぶりとなります。
今回の展示の感想は、現場で自分なりに考えたこと、このブログを書きながら思いついたことなどをそのまま意図的に構成せずに書くことにしました。小学生の日記みたいな時系列的な感想を単純に並べる稚拙さはありますが、その方が生っぽいと思ったからです。
とはいえ長いです。似たようなこと書いてます。お許しを。
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前回の展示(2022年10月・銀座K’s Gallery)は非常に自由度が高く、解放感に満ち溢れており、強烈な渇望感が表出されていました。一言で表現すると、「エロっぽい」「生々しい」という空間でした。
今回もどれだけ生っぽいのかな? などと思いつつ展示空間に足を踏み入れると、予想に反して穏やかで落ち着いたものを感じました。
「前回と同じように解放的な部分は変わっていません」と戸島さんはおっしゃっていましたが、何かが違うように感じられます。
前回はギャラリーの白壁という空間だったからこそ自由な解放が際立っていたのでしょうか。……それもあるでしょうが、やはり何かが違うように感じられました。
一年ぶりのコラボ展示ということで、お二人の進化が加味されたことでの変化かもしれません。
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今回の展示は「Unleash」「Door」などの4つのテーマ(タイトル?)があり、そこに戸島さんの言葉&ドローイングなどの作品、吉岡さんの音楽が提示されるというものでした。
最初の作業は、たくさんある言葉の中から戸島さんと吉岡さんでテーマを絞り込むことでした。
要するに「始めに言葉ありき」での制作でした。
戸島さんは「Unleash ー 未来からの片道切符 ー 」「Door ー 静かな夜明けのメロディの中であなたが待っている ー 」などといった言葉を起点にして自身の記憶や情景をつむぎ、ドローイングなどに仕上げ、吉岡さんは曲を作っていったわけです。
こちらが戸島さんの言葉です。
そして、こちらが「Door」のドローイングです。
最初は書かれている言葉とドローイングをリンクさせてみようと脳内で試みました。
「人間関係や心情などを抽象化するとこんな風になるのかもな……」などと考えたりもしましたが、うまくリンクさせることはできませんでした。
このような見方を最初にしてしまったこともあり、私にとって今回の展示は非常に整理された空間といった印象と変わっていきました。
ちなみにドローイングは年代を感じさせる黄ばんだ紙が使われていました。紙は戸島さんのお母様が使っていた?紙だそうです。
◯一発書きの言葉が整然としている理由と背景
「Unleash」「Door」などに書かれている言葉は長文にもかかわらず読みやすいものでした。銀座の展示で見た文字は、もっとラフで躍動的だった記憶だったので、かなり意外な印象です。しかも! なんと一発書きで仕上げられたそうです。
適度の行間、文字のバランス、使われている難しい漢字の柔らかさ、一部に振られているルビ、、、これを一発書きで失敗なしでキメるのは簡単なことではありません。
こんな風に書けるということは、戸島さんはかなり自分自身を律することができる人なんだろうなぁ。。。と感じつつ、「ひょっとして?」と思いながら育った環境について質問してみました。
話を聞いて合点がいきました。
お父様は木象嵌の職人さんだったそうで、戸島さんは細かい部分でかなり厳しい教育を受けたようです。
ああ、つまり、戸島さんのやろうとしている解放とは、そういうことだったのかと腑に落ちました。
展示されている整然とした散文的な文字を眺めていると、そこにはいくら解放させようとしても逃れられない土台が息づいているようにも感じました。
◯「清澄寮」は戸島さん家族の象徴的な存在でもあった?
こちらは「Unleash」と名付けられた作品群。カットしたクリアファイルが貼り付けられた半立体作品です。
作品には金属のスナップボタン、輪ゴム、安全ピンなどが付着しています。戸島さん曰く「とくに意図はない。あるものを付けただけ」という話でしたが、これらもお母様がよく使ったていたアイコン的なものなのかもしれません。
積極的意図はないかもしれませんが、抑えきれない潜在的な意識が作品に現れているような気もします。
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メルトメリが入っている「清澄寮」は、昭和8年に建てられた昭和の遺産です。昭和の薫りが色濃く残された建築物です。
整然とした文字、色褪せた紙、さりげない日常で使われるアイテム、そして……戸島さんのご両親ときっと同じくらいの歴史がある「清澄寮」という存在。これらが戸島さんの展示を中和させていたのかもしれませんね。
最初に感じた「何かが違う」という感覚はこのせいだったのかも!? 帰りの電車で揺られながら後付のように「何かの理由」が頭に浮かんできました。
◯呪縛からの解放? 許容した先に広がる解放?
戸島さんの作品は、「解放」がキーワードとなっています。
前回はシンプルに自分の生まれ育った境遇(呪縛?)から抗って解放させるという側面が強かったのではないでしょうか。しかし、今回は自身の歴史を許容し、さまざまな想いと共存しながら解き放つような展示のようにも感じました。
「解放」の根底に「愛」というものが流れているとするならば、前回よりも愛に広がり出たのかもしれません(自己愛から家族愛といった感じ?)。
ひょっとすると、戸島さんの「解放」は「開放」へと向かっていくのかもしれません。
◯互いが過剰に寄り添わないコラボ展示
戸島さんの作品寄りの感想になってしまいましたが、吉岡さんの音楽の存在は大きかったと思います。目には見えないので気がつきにくい存在ですが、空気のように欠かせない存在でした。
話が突然変わるようで恐縮ですが、私の本業は編集者です。
編集者がページを作る場合、最初から構成を意識するのが一般的です。そしてライターさんやカメラマンさんに具体的な指示を出し、具体的な目標に向かって素材を集めてページを組み立てていきます。
しかし、ライターさん、カメラマンさんを意識的にリンクさせないようにして取材してもらい、それぞれの奇想天外な素材を見てから構成を考えるといったパターンもあります。難易度は上がりますが、予定調和ではない創作物を作る刺激があります。
戸島さんと吉岡さんのコラボ展示は、後者に近いものといえます。互いが過剰に寄り添っていないからこその広がりがあります。
展示感想の冒頭で「戸島さんの作品を見ているときには気がつかないのですが、フッと息を抜いたタイミングでサウンドがジワリと響き染みてくるといったものでした」と書きましたが、反対に音楽に耳を傾けながら作品を眺めるというパターンで味わう方法もあります。きっと違った印象になることでしょう。
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好き放題に書いてしまいましたが、いい刺激をいただいた展示でした。
次回のコラボ展示は来年なのか、それとも再来年なのか……。それぞれに予定があり、しばらく時間が空くかもしれませんが、第3弾が楽しみです。
戸島さん(写真左)と吉岡さん。
以上
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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