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2023年01月07日の『ハート・トゥ・アート』活動日記です。
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表現者の言葉と活動報告を絡めた日記です。できるだけ簡単でも自分のできることを積み上げて(更新して)いきたいです。
今日の表現者の言葉は、岸田劉生です。
「画家は自己の中の文学者によって、より深い美を見る機縁を造り、文学者は自己の内なる画家によって、より美しい世界とその力を見る機縁を造る」(岸田劉生)
これは『白樺』(第12巻1号)での「製作余談」で岸田劉生が述べていた言葉です。岸田劉生の父親は先進的なジャーナリストであり、日本で初めて「たまごかけご飯」を食べたとされる岸田吟香です。父親の血をひいた岸田劉生は絵画だけではなく文筆業でも旺盛な成果を残しています。
昨日の活動日記では高村光太郎が岸田劉生らとヒュウザン会を結成したことに触れました。そんなこともあり岸田劉生の言葉を取り上げました。しかし、他にも意味があります。その意味は後半まっでお読みください。
アートとは生き様を形にすることである
感性だけで描くことは非常にアート的ではあります。
しかし私は『感性に頼りすぎた表現』には否定的な感情を抱いています。
「誰でもみんなアーティストである!」
アート活動をしていると、この手の話を避けて通ることはできません。
私は「誰でもみんなアーティストである」という考え方は嫌いです。
もちろん当然ながら「誰でもみんなアーティストの資質はある」ことは否定しませんが、「誰でもアーティストであってたまるかよ!」というスタンスです。
これはどういうことか。
「自由に絵を描けばアーティストだって? じゃ、テキトーな文章を書けば文筆家なのか?」
……ということです。
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岸田劉生は「自分の内なる美」を追求した作家です。自分の本能に向き合い、本能を表現する自分を厳しく見つめながら試行錯誤を繰り返しました。本能と意志のせめぎ合いが劉生の真骨頂といえるでしょう。
それは私が考えるアート表現に近いものがあります。
自分にとって『ハート・トゥ・アート』という活動は、そんなアートに対する想いの試行錯誤の作品でもありました。いろいろな作家さんや作品と出会うことが触媒となり、自分の本能と意志のせめぎ合いの摩擦が高い熱量を生み出していました。
ちなみに以前から「アートとは、生き様である」と言ってきていますが、生き様とは自分の本能と意志のせめぎ合いの摩擦で昇華させた「自分の覚悟と具現化」のことだと定義していますし、これは今後も変わらないでしょう。
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しかし、イベントを立ち上げた頃からベースにあった「このイベントは作品なんだ」というの意識が薄らいでしまったのも事実です。そうなると一気に熱量は下がります。いつしか覚悟も風化し、生き様も形骸化していきます。いわゆる馴れ合いというものです。
そんな魂の抜け殻状態になっても、いまだ『ハート・トゥ・アート』の看板を掲げているのは、出会った作家さんの影響によるものが大きいです。
もちろん今回のように活動日記を再開するエネルギーにもなっています。
大きな影響を与えてくれた作家さんの一人に、相馬博さんがいます。
相馬さんは1月14日より吉祥寺美術館で個展を行います。ぜひお時間がある方は足をお運びください。詳細はこちらです。
参考:
【相馬博 個展「悠久と星霜の彼方」】武蔵野市立吉祥寺美術館/2023年01月14日〜03月5日
https://www.heart-to-art.net/BLOG/soma-hiroshi-musashino-kichijoji-20230114
絵を描く、そして文字を書く……描くことと書くこと
冒頭で岸田劉生の言葉を取り上げたのは、意味があります。
相馬博さんはコロナ禍のタイミングで京都芸術大学芸術学科でアートライティングを学んでいます。学んだ内容の詳細はわかりませんが、芸術の歴史や表現を言葉という側面から触れたことは大きなステップにつながるのではないでしょうか。
今回の相馬さんの個展ではトークショーなども企画されています。自身の作品を言語化する機会が増えることで、さらに制作に磨きがかかることでしょう。
相馬さんの描く世界は壮大なものではありますが、その反面、身近な要素が緻密に凝縮されているようにも感じられます。そして何より言語化するのに苦労します。
「作家は作品だけ創り、あとは好きなように感じてもらう」という考え方もありますし、それもひとつの真理ではあります。
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冒頭の岸田劉生の言葉をもう一度。
「画家は自己の中の文学者によって、より深い美を見る機縁を造り、文学者は自己の内なる画家によって、より美しい世界とその力を見る機縁を造る」
やはり創作において言葉は大切です。文学者、あるいは哲学者のような姿勢が不可欠ではないでしょうか。
今回はまとまりのない脳内を書き散らしたような内容になってしまいました。
つか、岸田劉生はもっともっと評価されて欲しい作家さんです。
では、今日はここまで!
2023年1月7日(土)
以上
今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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