坂田 純  圧倒的な生命力に魅せられた現代美術家!(存在を深掘りする その4)

ワークショップ公演『美術と即興( https://heart-to-art.net/improart/blog001-performance-information-20241014/ )』で貴重な作品を貸してくださる現代美術家・坂田 純さんの魅力、今回の企画でお声をかけた理由などを紹介します。

 

 

① 大前提としての『美術と即興』

『美術と即興』という企画タイトルには意味があります。最初に「美術」が来ていることがキモです。つまり「美術」ありきの即興であることです。

 

美術は不憫な存在でもあり、ときとして舞台の背景や添え物のように扱われうことが少なくありません。しかし、この企画では美術を中心に据えることに基本と考えています。

 

美術の中に身を置き、どのように感じ、何を発見し、即興表現としてどのように形にしていくのかがポイントとなります。深谷正子さんには、その思考の道筋などを提示していだくわけです。

 

 

② 坂田純さんが関心を示した「セイタカアワダチソウ」の魅力

いけばなの家元の家に生まれた坂田さん。若くして家元を襲名することになったのですが、いつしか現代美術に関心を持つようになっていったそうです。とくに関心を持った素材は、セイタカアワダチソウ。地味な存在でありながら圧倒的な生命力を持つ植物との出会いから、インスタレーションを次々と発表するようになりました。

 

その後、1980年代半ばあたりからは、坂田さんは和紙を使用し、ギャラリー全体を取り囲んだり、包み込む表現に取り組むようになりました。

 

作品の本質である圧倒的な生命力は、素材が変わろうとも何ひとつ変わりません。

 

こちらが80年代から90年代にかけての展示風景の一部です(坂田さんのホームページより http://jun-sakata.jp/installation/ )。

個展 和紙・墨(村松画廊/1987)

 

個展 布・柿渋・セイタカアワダチソウ(真木画廊/1988)

 

個展 和紙・墨・柿渋(真木画廊/1988)

 

個展 和紙・墨・柿渋(真木画廊/1991)

 

個展 和紙・墨・荒縄(真木画廊/1992)

 

いかがでしょうか。

 

現在、坂田さんはバリ島のバナナペーパーを使用し、大きさも最大で100号ほどの作品へと変化しています。しかし、生命力を追求するスタンスは変わりません。一枚の作品を仕上げるために何十本もクレパスを使って塗り重ね、厚塗りの絵肌を目打ちで引っかいて無数の線で侵食させて下地を作り、さらに墨や柿渋、クレパスを塗って滲ませていくような作品を手がけています。

 

坂田さんの圧倒的な生命力の一端を会場で感じていただければ嬉しく思います。

 

そして圧倒的な生命力は即興の深谷正子さんに相通じるものがあるのは説明するまでもありません。二人の遭遇から生み出される『美術と即興』の化学変化を期待せずにいられません。

 

 

③ 今回の作品展示に関して

坂田さんの作品は先日の10月6日にお借りしてきました。その報告は『ハート・トゥ・アート』のFacebookページで紹介しましたので投稿を埋め込んでおきます。

 

 

念のため文章を再掲しておきます。

 

『美術と即興』(2024年10月14日・西荻窪にて開催 https://www.facebook.com/events/1170914597329210/ )で登場する坂田純さんのインスタレーション作品。6日の夕方に坂田さん宅に富士栄さんとお邪魔し、貴重な作品をお借りしてきた。
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作品は柿渋と墨でドローイングしたもの。部屋に置かれた大きなダンボールの山。圧倒的物量。坂田さんの話によると、800畳にもなるそう。ドローイングは墨をつけた竹箒で描いたらしい。圧倒的な身体作業の結晶でもある。アートは好き嫌いで判断することでかまわないが、私(渡辺)は、汗や人間味の痕跡が感じられるような作品に魅力を感じる。汗や人間味の痕跡とは、“ 人間力 ” の具現化ともいえるだろう。作品と共演する深谷正子さんも「(作品の)スケールの大きさ」に惹かれたと富士栄さんに話されていたそうだが、似たような感覚を抱かれたのだろうか。その答えは10月14日に知ることができる。
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坂田さんからは「自分の発想にはない、自分とは違う手段で(作品が)展開されることは刺激的だし、楽しみ」とメッセージをいただいている。さらに「すべてを(渡辺に)委ねる。お任せする」とも言ってくださった。ありがたい。このインスタレーション作品は30年ほど前の作品。最初は評判が良くなかったらしい。その後、時を経て、愛知県豊田市で行われている「農村舞台アートプレジェクト(2021年9月)」で再お披露目されて評判を博し、さらに来年は札幌で大きな展示が行われる。今回は札幌へ作品を送る前のタイミングで使わせていただく。
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今回は作品の一部(5箱程度)をお借りして会場に持っていく。実際に展示する作業時間は短い。限界がある。作業量から逆算すれば、それに見合った量をお借りするのがノーマルな考え方だろう。しかし、あえて多めにお借りした。理由はいくつかある。すべてを細かく説明すると話が大きくそれるので割愛するが、これだけは言える。坂田さんの圧倒的な物量の一端を少しでも感じてもらいたい。作家は一般人の考えや計算を簡単に飛び越える。そんな破格な部分が大きな魅力。ぜひ来場者やワークショップ参加者にスケール感を体感してもらいたい。
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来場(ワークショップ参加・見学)お待ちしています。30歳以下は無料です。即興表現・表現活動・美術・巨大インスタレーション・他者との関わりなどに興味がある方ならジャンル・年齢・性別も問いません。詳細は冒頭のfacebookイベントページをご覧になってください。
◎坂田純 公式サイト
http://jun-sakata.jp/

 

 

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会場は「井荻会館(杉並区西荻北4丁目35−9)」。昭和7年に建てられた雰囲気のある施設です。

 

こちらです。

 

 

当日の準備時間は非常に短時間。かつ少人数。どこまで効果的に展示できるかがポイントとなります。初めて使わせてもらう場所というハンデもありますが、どのような世界が繰り広げられるか楽しみでなりません。

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