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共同募金のはじまりは1947年(昭和22年)
2017年12月1日から歳末たすけあい運動がはじまりましたね。寄せられた募金は各地域の福祉活動へ還元され、地域福祉のさらなる充実のために使われます。
今回のキャッチフレーズは以下のとおりです。
つながり
ささえあう
みんなの地域づくり
全国的展開の共同募金は1947年(昭和22年)に「国民たすけあい運動」としてスタートしました。11月25日~12月25日の期間、41県で実施されました。
第1回目のポスターには「全米の一人残らずが参加」などという言葉が踊っていますが、かなり大胆なメッセージですね。また、共同募金の下部分にある「コミュニティ チェスト」という言葉も新鮮です。
第1回共同募金総額は5億9000万円(当時)でした。現在の貨幣価値に換算すると約1200億円に相当するようです。当時の労働者の平均賃金が1950円、郵便はがきが50銭、お豆腐が1丁1円、理髪料は10円の時代です。これはすごい金額ですよね。
ちなみに組織だった形での共同募金が誕生したのは、アメリカ・オハイオ州クリーブランド市で、1913年(大正2年)のこととされているようです。日本での共同募金運動は長崎県が先駆けて1921年(大正10年)に初めて行ったようですが、翌年の2回で終わってしまったそうです。
さらに調べてみました。
遡ると1894年(明治27年)にアメリカの救世軍サンフランシスコ小隊が「スープ鍋を三脚に吊るしてその中へ街頭募金の投入を依頼するというスタイル」をはじめたという記録もあります。
日本では1906年に「慰問かご」、1909年に日本人初の救世軍士官・山室軍平らがクリスマス・ケトル(のちの「社会鍋」)を開始したという記録もあります。
<参考>
中央共同募金会 http://www.akaihane.or.jp/
救世軍 http://www.salvationarmy.or.jp/
赤い羽根ながさき http://www.akaihane-nagasaki.or.jp/gozonjidesuka.html
杉並区社会福祉協議会 http://www.sugisyakyo.com/wp/?p=2523
そもそも共同募金って? なぜ「赤い羽根」?
「赤い羽根」をシンボルとする共同募金は、社会福祉法人中央共同募金会が募金をとりまとめ、連絡調整しています。
共同募金は世界43の国や地域で行われていますが、「赤い羽根」を使っているのは日本と南アフリカだけです。他の国々では手と虹を表すマークを使っています。「赤い羽根」がヨーロッパやアメリカで「善い行い」や「勇気」の象徴とされてきたが使われている理由です。ちなみに第1回目の時はブリキのバッジを使用したそうです。
運動期間は10月1日から翌3月31日までの6か月間とされており、12月については、「歳末たすけあい募金」も合わせて実施されています。中央共同募金会はNHKと共催で「NHK歳末たすけあい」も行っていますし、地域によっては共同募金と一本化している所もあるので、ちょっと混乱してしまいませんか? 私はこの統一感のなさに頭がついていけなかったりします。
平成29年に共同募金運動が70周年を迎えたことで、中央共同募金会は広報活動に力を入れているようです。
赤い羽根共同募金の70周年を記念した応援ソング『akaihane(赤い羽根)』っていうのも作られています。
共同募金の70年の歴史を、ひとりのおばあちゃんの人生になぞらえて描いたものです。
東京都市大学メディア情報学部の大谷紀子教授、大阪大学産業科学研究所の沼尾正行教授の研究グループが人工知能(AI)による自動作曲システムを用い、フォークデュオ「ワライナキ」さんと一緒に完成させたものらしいです。イラストを手がけたのは東京のデザイン会社・株式会社Beachさんです。
<参考>
ワライナキ公式サイト http://warainaki.com/
株式会社Beach公式サイト http://beach-inc.com/
日本は寄付文化が根付いていない?
2015年12月には「寄付月間(Giving December)」もスタートしました。
「欲しい未来に、寄付を贈ろう。」を合言葉に毎年12月の1ケ月間、全国規模で行われる寄付啓発キャンペーンです。今年で3年目ですね。
寄付への意識を「弱者救済」から「未来への投資」と変えようとすることで、いままでと違った広がりになっていくのでしょうか。見せ方もスマートで洗練されていますよね。
税制もかなり変わってきていますし、この先の寄付に対する世の中の変化を自分なりに見ていこうと思います。
ちなみに日本には寄付文化が根付いていないと言われますが、私はそうとは思いません。
仏教での寄付集めは歴史的にかなり古いですし、鎌倉時代には頼母子講(たのもしこう)という画期的な民間の金融システムがうまれました。江戸時代には寄付により公共物も多数建設されたようです。
「世界寄付指数」によると、日本はランキング111位
英国のチャリティー団体「チャリティエイド基金」(CAF)が毎年発表している「世界寄付指数(world giving index)」の2017年版が発表されました。
https://www.cafonline.org/about-us/publications/2017-publications/caf-world-giving-index-2017
これによると日本は140カ国中、111位! 単純に111位だとかなり低い印象ですね。
このランキングは「見知らぬ人への手助け(Helping a stranger full table continued)」「金銭的寄付(Donating money full table)」「ボランティア活動(Helping a stranger full table continued)」を点数化して国家別に格付けしたものです。
111位の日本は、それぞれ以下のランキングでした。
「見知らぬ人への手助け(Helping a stranger full table continued)」135位
「金銭的寄付(Donating money full table)」46位
「ボランティア活動(Helping a stranger full table continued)」73位
リサーチ方法や格付けの判断基準が不明なので、なんともいえません。
しかし、この調査を正しいものとして考えた場合、寄付文化を大きく成長させるためには「未来への投資」という意識コントロールも大事ですが、「見知らぬ人へ手を差し伸べる意識」の醸成も必要なのかもしれませんね。
チャリティー意識向上は世界的な傾向??
最後にアメリカのコンサルティング会社「アチーブ」が発表した調査報告書「2015年ミレニアル世代のインパクト(http://www.themillennialimpact.com/research/)」というものがあります。
これは1980年から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」と呼ばれる若者たちへの調査をまとめたものです。
この調査によるとミレニアル世代は寄付を「自分が大切に思っているものへの投資」と捉えているそうで、寄付行為をした人は80%以上もの割合だそうです。
これだけでは判断できませんが、世界的な傾向としてチャリティー意識は向上してきているのかもしれません。
<参考>
日本ファンドレイジング協会による『寄付白書2017』は現状を知るには格好の一冊です。
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「関伝地(カンデンチ)ってなんだ?」と思った人は、こちらへ。関伝地(カンデンチ)という言葉に関して簡単に説明しております。
http://www.heart-to-art.net/kan_den_chi_profile.html
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今回の記事は以上となります。
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