『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。コロナもやっと落ち着いてきたか感じですが、いかがお過ごしでしょうか。自粛の動きも緩和され、休館だった美術館もつぎつぎと展示再開となってきています。よかったです。
さて、6月1日からは武蔵野市立吉祥寺美術館も開館。4月11日スタートの予定だった土田圭介さんの展示「鉛筆画展 心の旅 モノクロームの世界で描く心のカタチ」も……やっと! やっと! やっとスタート! 展示期間は7日までと非常に短期間ですが、とにかく2ヶ月も宙ブラリ状態だった展示のスタートです! 「おめでとう!」の言葉しか浮かびません。
お時間ある方は、土田さんの鉛筆画の世界を「美術館」で味わってみてください。ギャラリーとは違った味わいで、私たちを『心の旅』に誘ってくれるはずです。
<2020/06/06追記>
6月5日(金)に展示にお邪魔した感想を記事後半に追記しました。新型コロナ自粛が明けたばかりの平日の吉祥寺は、人も少なかったように感じました。
こちらから飛んでいってください。
目次
6月7日迄! 急げ! 吉祥寺美術館 土田圭介 鉛筆画展『心の旅』
鉛筆画で独特な世界を繊細に描き続けてる土田圭介さんの鉛筆画展。コロナ禍の影響で開催自体が危ぶまれましたが、なんとか終了間際に開催です!
ドドーン!
このまま流れず、ホントによかったです!
おめでとうございますっ!
期間は一週間という短期間です。
大事なことなので、もう一回言います!
6月7日までの一週間です!
開館時間は10〜19時30分で、今回は休館日はありません。仕事帰りにも間に合いますので、ぜひ!
まずは美術館情報からお伝えしましょう。
<吉祥寺美術館>
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル(コピス吉祥寺A館)7階
電話:0422-22-0385
料金:一般300円、中高生100円
アクセス:吉祥寺駅中央口(北口)から徒歩約3分
マップ:http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/access/index.html
内容:吉祥寺美術館は2002年2月開館。メインの「企画展示室」のほか、「浜口陽三記念室」「萩原英雄記念室」での関連作品展示が楽しめる“ 観る・創る・育てる ”をモットーとした美術館を目指している。
さぁ、場所の確認はオッケーですね!
繰り返しますが、作家さんにとっては非常に貴重な美術館の展示です。とくに土田さんのような鉛筆画では珍しいと思います。
私も鉛筆画だけの大型個展って、観た記憶がないです(思い出せないだけかも汗)。
だからこそ、多くの人に観に行ってもらいたいです。
作品点数は堂々約100点!
堂々約100点!という大量の作品で構成される土田さんの世界・・・いったいどんな感じでしょうか。私も期間内に行きますが、非常に楽しみです。
武蔵野市立吉祥寺美術館では、開幕が延期だったためにPR動画を作ったようです。ツイッターを埋め込んでおきます。前半後半の2本立てです。
開幕が延期となっている企画展【土田圭介 鉛筆画展 心の旅】のPR動画の前半を公開します! pic.twitter.com/h3Lyd5ZwoJ
— 武蔵野市立吉祥寺美術館 (@kichi_museum) May 18, 2020
昨日に引き続き、【土田圭介 鉛筆画展 心の旅】のPR動画の後半を公開します!! pic.twitter.com/fbTqPCXXVI
— 武蔵野市立吉祥寺美術館 (@kichi_museum) May 18, 2020
展示は初期から最新作までが並びます。
「心を形にする」というスタンスで制作を続けている土田さんの歴史もたっぷり感じることができます。
モノクロームの繊細かつ幻想的な世界、線という細胞を集積させた技術的な話はいくら語っても言い尽くせないです。
いつもギャラリーに行く場合は作品を観に行くわけですが、今回、私は作品を見るというよりも「旅に行く」感覚でおじゃましたいと思っています。
「吉祥寺美術館という空間」と「土田さんの作品」によって創り出される『心の世界』を自分がどのように感じ取れるかどうか・・・いまから楽しみです。
図録は通信販売も!
今回の展示の図録も販売されています。
【土田圭介 鉛筆画展 心の旅】図録
価格:1,400円(税込み)
48ページ
A4判
発行:2020年4月
通信販売も受け付けていますので、詳細は【ミュージアムショップ】図録の通信販売のお知らせ(http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/info/2020/05/post-86.html)をご覧になってください。
新型コロナ感染予防に関するお願い
吉祥寺美術館から「ご来館の方へのお願い」という形でアナウンスが出ています。念のためにポイントを書いておきます。詳細は【美術館開館のお知らせとお願いについて】をご覧になってください(クリックすると、美術館ページに飛びます)。
<ご来館の方へのお願い>
・マスク着用
・検温の実施
・手指の消毒
・連絡先の記入
・対人距離の確保
混雑した場合は入場制限を実施するそうです。遅くとも18時半を目安に、できるだけ余裕を持って行くようにしてください。
<観る側に呼応して動き出す>極細タテ細胞が織り成す「土田圭介」の有機性〜展示レポート
行ってきました!
土田圭介さんの展示「鉛筆画展 心の旅 モノクロームの世界で描く心のカタチ」。
6月5日(金)の午前中から昼にかけて。
写真もいっぱい撮ったんですが、なんたって展示自体が7日までです。まずは文字優先で書き散らします。
閑散気味? 平日の吉祥寺
コロナ禍自粛明けの吉祥寺の平日は、人出も少なく感じました。なんたって吉祥寺美術館そばにある名物『吉祥寺 さとう』のメンチカツの行列もほとんど並んでいない状態でした。
『吉祥寺 さとう』からコピス吉祥寺に目を向けると、土田さんの展示を知らせる大きな懸垂幕(けんすいまく)がドドーン!
他にも柱、エントランスなど、コピス吉祥寺の目立つポイントに周知の案内が多数。こういうのは嬉しいですよね。なぜか私もコピス吉祥寺の1階をウロウロし、スマホであちこちをパシャパシャしてしまいました(ミーハーかよ笑)。時間を大切にする人は、「吉祥寺美術館」用の直通エレベーターでスッと会場に行くんでしょうね。
冒頭から余談が過ぎましたが、こういう形でアーティストさんの名前や作品が公の場面に出ることは素敵なことです。目に触れることだけが正義だと考えていた『ハート・トゥ・アート』の初期に大量の作家によるイベントポスターを杉並区内に貼りまくったスタンスと合致しています。
約100点の鉛筆画! 圧巻の作品群の中の旅はどんなものだったか?
まずロビーに数点・貴重な大量の下絵・制作風景映像が、そして企画展示室には90点ほどの作品が比較的間隔狭めな感じで並んでいました。
大量の作品群に圧倒されましたが、「観る側に突きつける圧」みたいなものはなく、非常に穏やかな雰囲気に包まれていました。
平日の午前中で、しかもコロナ自粛明けというタイミングもラッキーでした。まだ来場者が少なかったので、じっくりと展示を楽しませてもらいました。
展示を観た流れは、こんな感じです。
「まず順序を流して観る→最初から一点ずつ観る(写真も合わせて)→今度は年代の塊で観る→気になった部分をアトランダムに観る→一旦リセットして、気になった作品をピンポイントで観る」
技術的な部分、背景の差の違い、描き込みの遊び心の変化、制作時期による人物の表情の変化などを鑑賞しながら、土田さんの現在までの作家生活のプロセスも勝手にシンクロさせつつ、想像を膨らませていきました。
展示点数の多さも大きな理由ですが、作品に込められた熱量と信念の深さが、こういった多面的な楽しみ方に導いてくれたんだと確信しています。
ひとことで言ってしまうと、初期の頃だと思われる作品から最新作まで、一貫して同じ血が流れているような印象。声をかければ、丁寧に言葉を選んで作品が応えてくれるような「会話の時間」が持てました。
基本は縦ストロークの線……いや、極細タテ細胞か
会場ロビーでは制作過程の動画が流されていました。
基本は縦ストローク。
10数種類もある鉛筆を使い分け、繊細な線を塗り重ねて作品を仕上げていきます。
展示作品を拝見し、あらためて自分なりに考えてみました。
……ああ、細胞かもな。
そんなところに辿り着きました。
土田さんの鉛筆画は、線というよりも「極細タテ細胞」といった方がいいのかも……と感じてしまいました。
土田さんの情熱と想いが込められた「極細タテ細胞」が丁寧に織り重ねられ、そこに有機的な心の風景が広がっていくイメージです。
新型コロナのせいで非常に魅力的な展示がたった一週間という短期間になってしまいましたが、なんとか観ることができてよかったです。
土田さん、お疲れ様でした!
2020年6月24日からは、中華街「art-truth」で個展開催
大規模展示が終了後、すぐに中華街「art-truth」で土田さん個展が開催されます。
今回の展示を見逃した方、お近くの方はぜひ!
「土田圭介鉛筆画個展・心の街」
会場:横浜中華街「art-truth」
住所:横浜市中区山下町112-5 日絹パークビル1F
期間:2020/6/24(水)~6/29(月)
時間:11:00 – 19:00(最終日17:00迄)
詳細サイト:http://www.yccp.jp/art-truth/exhibition/20200624.shtml
<土田さんに挑戦!?>鉛筆画の奥深さを5000円で体験してみる?
土田さんはワトソン紙と鉛筆を使って描いています。
紙と鉛筆だけといわれてしまうと、非常にシンプルな印象を受ける人も多いと思います。
しかし、鉛筆画の世界はシンプルが故に奥深い世界です。線の流れ方や塗り重ねられた光沢によって表情が繊細に変化していきます。
もし土田さんの世界に興味をもたれた方がいらっしゃったら、ぜひワトソン紙と鉛筆を調達して(費用は5000円程度)、挑戦してみてください。
土田さんの鉛筆画が完成するまで
土田さんの制作の流れは、だいたい以下のような感じだと思います(渡辺の想像なので、実際は異なる部分もあるはず)。
ぜひ鉛筆画の世界に違う角度から入り込んでみてください。きっと新しい発見があるはずです。
(1)描くイメージの下描き
別の紙で何枚も描き、できるだけイメージを固めるのが大切でしょう。なぜならば、一旦描き出したら、修正しにくいからです。きっと土田さんは消しゴムやホワイト(修正液)は使ってないはずです。
(2)下描きを本番の紙へ
固めたイメージを本番用の紙(ワトソン紙)へとトレスします。
(3)ひたすら丁寧に描く
鉛筆を使い分け、丁寧に描いていきます。薄い色から描くわけですが、この際にワトソン紙が汚れないように手の下に紙やテッシュなどを挟み入れます。また少しでも擦れると絵の表情も変わってきますので、かなり慎重に描くことが求められます。また線の流し方も考える必要がありそうです。
(4)完成
大胆にガガガッと線を描く!といったスタイルからは土田さんの作品は誕生しません。線の濃淡、重ね方、リズム感などがうまく合致することによって、生命が吹き込まれていきます。
ぜひ挑戦してみてください。鉛筆の違いを感じるだけで、すごくいい経験だと思います。
ワトソン紙と鉛筆は簡単に購入可能
ワトソン紙と鉛筆はアマゾンなどで簡単に購入可能です。下記商品が人気っぽですが、どうぞいろいろなショップを調べてみてください(紹介している商品は、『ハート・トゥ・アート』渡辺が勝手に選んだものです。土田さんのオススメというわけではありません)。
「三菱鉛筆 鉛筆 ハイユニ アートセット 22本入」
https://amzn.to/2AI6ijU
日本が誇る鉛筆の名作「ハイユニ」の22本セットです。硬度幅は「10B、9B、8B、7B、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H、10H」と国内最多だそうです。
「ミューズ 水彩紙 ワトソンブック F4 239g ナチュラル 15枚入り」
https://amzn.to/2zeeY16
ナチュラル色のワトソン紙(特厚口)です。表面強度が高く、マスキング耐性を持っています。
ところでワトソン紙って、どんな紙?
ワトソン紙は、日本で製造されている高級水彩紙です。強めのサイジング(にじみ防止)が施され、適度な質感を持ち、強度があるのが特徴です。
木綿パルプと木材パルプを配合して作られており、生成りは木材パルプの色です。
脱色した白ワトソン紙や、着色したワトソン紙もありますが、やはり生成りワトソン紙がもっとも温かい印象です。
では!
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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