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気になっているけど行けないままの展示が多すぎます。2018年のチャレンジ企画として「アート展示情報&投稿情報」ページを作りました。行けるかどうかわからないけど、気になる展示などを紹介します。場合によっては自分なりの視点で掘り下げて紹介します。作家さんの思惑とは違う紹介になるでしょうが、それもまた一興かと。
★視野を広げたいので、掲載依頼もお待ちしてます。タイミングが合えば取材に行くかも? よかったらお使いください。もちろん無料です。
http://www.heart-to-art.net/heart_to_art_exhibition_infomation.html
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『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。もう1月6日ですね。今年は地震、戦争、暗殺など、暗い話題が多くなりそうな予感(気のせい?)がします。まぁ、書いておけば起きないと思いますし、できるだけ明るく過ごしていきたいものです。
目次
1月22日より権藤武彦さん個展〜もみの木画廊にて
「サイコロマン」でおなじみの権藤武彦さんの個展がはじまります。
会場は自由が丘「もみの木画廊」。絵画や書、彫刻、写真など、ジャンルを問わない展示をされていいるギャラリーです。
「窓から外の光が入ってくるというところが好きです。スペースが広いので自由な見せ方ができます」と話す権藤さんがここで個展をされるのは7〜8回目。
勝手知ったるスペースで行われる内容は、「サイコロマン」を中心にした写真と立体による展示。タイトルは『Psycho+Roman 18 OHAKO』。とくに「18 OHAKO」部分が目を引きます。
「18」は2018年、「OHAKO」は“十八番!のオハコ”と“サイコロマンが箱の展開図”に掛かっています。要するに、「2018年、権藤作品の得意技をお披露目する」という意味が込められています。
パッと見るかぎりは「18 HAKO」なので、「ん? なんだろ??」と思ってしまいます。その辺は権藤マジックといったところでしょう。
戌年にちなんだ「サイコロ-ワン(犬っぽいサイコロマン)」などにもトライされているようです。モフモフで可愛らしいです。
<権藤武彦 個展詳細>
『Psycho+Roman 18 OHAKO』
日時:2018年1月22日(月)〜28日(日)11時〜19時(最終日17時)
※27日、28日は作家在廊予定
会場:もみの木画廊(世田谷区奥沢6-33-14 もみの木ビル201)
電話:03-3705-6511
交通:「自由が丘駅」より徒歩約4分
ホームページ:http://home.catv.ne.jp/kk/mominoki/
facebookページ:https://www.facebook.com/mominoki.jiyugaoka/
マップ
2000年に誕生したサイコロマンは、語呂合わせからはじまった
私がサイコロマンと初めて出会ったのは2000年。荻窪「かん芸館」での展示でした。今回、あらためて本人に確認したところ、このときの展示がサイコロマンの誕生&お披露目だったそうです。
この展示は「荻窪アート楽市楽座」というイベントで行われました。第1回目の高円寺『ハート・トゥ・アート』に参加されていたTADASUKEさんやスローフードの佐々木俊弥さんたちが開催した催しです。その後、藤永智博さんがアーティスト・サポート・カウンシルという名称でアートフリマを継続しているのはご存じのとおりです。
荻窪の展示の後、サイコロマンは自由が丘のBARで展示され、もみの木画廊やストライプハウスギャラリーなどでほぼ毎年1回のペースで展示されてきました。ときにはパフォーマンスイベントに参加することもあったそうです。
サイコロマンが生まれるきっかけとなったのは、権藤さんがサイコロの展開図を描いているときに「和服の人」っぽく感じ、「Psycho(サイコ)+Roman(ロマン)」と語呂合わせしたところからはじまっています。
権藤さんの表現は、サイコロマンとの「私小説」的な二人旅?
権藤さんが自身の作品を語っているときのイメージは、どことなく照れていて、必要以上に気恥ずかしくされている印象があります。少なくとも自信を漲らせている感じではありません。
今回、作品について話をうかがうと、「語呂合わせから意味を見出す、謎を仄めかすことが私のやりたいことです」と教えてくれました。
それをうかがって、なんとなく合点がいきました。あくまでも自分勝手な想像の範疇ですが。
きっと権藤さんにとっての表現とは自分自身の内面を探る旅のようなものなんでしょう。もちろんパートナーはサイコロマン。
権藤さんの作品は、きっと2000年から続くサイコロマンとの「私小説」的な二人旅の記録なんでしょう。
だからちょっと照れ隠しっぽいのかな? なんて想像してしまいました。
インスタ映えするとか、アプリでの加工とか、美しいとか、センセーショナルだとか、そういったものだけが写真ではありません。
「私小説」的な写真作品は、観る側の感情移入によって印象がかなり変わってきます。
今回の展示がどのような内容なのかは不明ですが、権藤さんやサイコロマンに身を置き換えながら観ると、味わいがかなり違ってくることでしょう。
住宅街でのサイコロマンたち
都会を闊歩する増殖したサイコロマン。サイコロマンを権藤さんに置き換えて観るのも面白いかも
権藤さんとサイコロマンの二人旅はどこまで続く?
サイコロの「Dice」は「Die」の複数形です。この「Die」の語源は「死」ではなく、ラテン語の「datum(与えられたもの)」です。※ちなみにdatumの複数形はdata(データ)です。
残念ながら「死」が語源ではありませんが、どちらも「運命」を感じさせるという部分では似たような雰囲気を持った言葉です。
2000年の誕生から権藤さんはサイコロマンとの出会いに無意識的に運命を感じ、ずっと試行錯誤を繰り返してきたと思います。
偶然に与えられた産物との交流。そして二人旅。サイコロマンは権藤さんにとっての愛する子どもでもあり、叱咤激励するパートナーでもあり、あるときには代弁者だったんじゃないかと思います。
「サイコロマンをNYでやったら見事にウケました。少数ながらインスタでフォローしてくれる人もいるので、まだ続けようと考えています」と話し、さらに「まぁ勘違いでしょうけど……」と付け加えるところが、権藤さんらしいです。
今後の権藤さんとサイコロマンの二人旅がどこまで続いていくのでしょう。そんなことも含めて展示を観てもらえると感じるものが違ってくるかもしれません。
イラストへの憧れからスタートした権藤武彦さんの作家活動
もともと権藤さんはイラストレーションに憧れていたそうです。80年代は「日本グラフィック展」や雑誌『イラストレーション』のコンペ「チョイス」に精力的に挑戦。その後、表参道の路上販売をっきっかけに個展などを行うようになりました。
バブル崩壊後は現代美術へと関心が移り、公園を勝手にギャラリーにしてしまうという「アノニマス・アート・プロジェクト」を名乗った活動をもはじめます。「草野球をするように公演で作品展示しよう」というスタンスで意気投合した仲間たちと『擬態美術協会』結成。「アノニマス」のままチーム自体を「作品」として活動を続けていました。
当時、具体美術協会の回顧展が開催されていたので、「ならば僕らは『擬態』で」ということで命名。やっていた内容はハイレッドセンターのトリビュート的のものだったそうです。
※2014年に20周年をきっかけに、権藤さんは参加していないそうです。
擬態美術協会で検索すると、いろいろと出てきます。これが代表的なサイトんびなるんだと思います。
http://www.geocities.jp/gitaiau/index.html
そういえば路上アート的なものって、21世紀になってからは目にしなくなりましたよね。良くも悪くも守られた形での野外展示は増えましたけど……。
最近のオススメは「FEMM(フェム)」と『ツイン・ピークス The Return』のサントラ
以前お会いしたとき、権藤さんは「水曜日のカンパネラ」をメチャ押しされてました。現在は“二オシ”らしいですが、とにかく権藤さんの嗅覚は私にはないセンスなので、すごく面白く話をうかがった記憶があります。
そこでついでに?最近気になるアーティストをうかがってみました。
昨年は「FEMM」と『ツイン・ピークス The Return』のサントラにハマっていたそうです。
FEMM(フェム)はRiRi(リリ)とLuLa(ルラ)によるマネキン・ダンス・デュオ。
By youngelectricpop [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
FEMM(フェム)は「Far East Mention Mannequins」の略
『ツイン・ピークス The Return』のサントラはデヴィッド・リンチとのタッグで有名なアンジェロ・バダラメンティが手がけています。調べてみたら彼は80歳なんですね。
今回の個展では週末の27日、28日が在廊予定。もし権藤さん本人に会ったら、サイコロマンの話と合わせて趣味の話を聞いてみると面白いと思います。
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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