『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。京都を拠点に活動する日本の女性アーティストobさんがキュレーションする展「neo wassyoi(ネオワッショイ)」が中野「Hidari Zingaro」で開催中。7月17日までです。
目次
obさんキュレーション展「neo wassyoi」開催中
新型コロナ感染拡大のため閉廊していた中野「Hidari Zingaro」ですが、6月26日より再開しています。
現在は京都を拠点に活動する日本の女性アーティストobさんがキュレーションする展「neo wassyoi(ネオワッショイ)」が開催中です。
これです。
obキュレーション展「neo wassyoi」
https://zingarokk.com/gallery/hidarizingaro/exhibition/6463/
コロナ禍に毎日ライブペイントを配信! ポストコロナ時代の経過発表
今回の展示開催にあたり、obさんのメッセージが上記サイトに掲載されていました。
気になったところを抜粋(太字がobさんのメッセージ)しておきます。
「2010年頃にイラストSNS「pixiv」の登場を契機に新しいアートシーンが日本で芽生えました。まるでお祭りのように次々と若手画家が現れ、ネットとギャラリーの双方を行き来して活動していました」。
SNS「pixiv」はイラストが趣味のプログラマーによって2007年にスタートしたサービスです。私も登録して少しだけ投稿していますが、とにかく昔からレベルの高さに驚かされることばかりでした。背景にはアプリの進化という後押しがあるわけですが、そのクオリティやセンスのレベルの高さは凄まじいもので、まるで才能の坩堝といった印象です。
ただし、アートやイラスト、デザインなどの垣根が無くなった状況を歓迎するか、否定的に考えるかは意見が別れるところでしょう。
・ ・ ・
「10年が経ちました。デジタル技術が成熟した現代では描画技術の水準も高度となりましたが、あえて”絵画”を表現している画家はむしろ珍しい印象があります」。
少なくとも発信の基板は、デジタル(インターネット)と共存するのが必須となったことは間違いありません。印刷の場合は作品の再現性に乏しかったわけですが、デジタルの場合は作品の再現性も高品質です。この状況でギャラリーなどで”絵画”を表現する行為自体に何を求めればいいのでしょう。もちろん来場者とのコミュニケーションは大きなポイントではあります。しかし、作品を広く多数の方々に伝えることを考えた場合、アナログな展示には多々の疑問が浮かび上がってきます。もちろん敢えてアナログにすることで付加価値を付けることも重要ですが……。これを突き詰めていくと、作家の姿勢が問われていくような気がしてなりません。
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「ob個展「螺旋と春」では、コロナ禍が本格化して来場できない方のために毎日ライブペイントを配信しました。会期中に行ったイベントで若手作家さんとじっくり対話したことでイラストにも絵画にも偏っていない未分化な感性を探求したくなり、キュレーション展を開催する流れになりました」
コロナ禍にも積極的に発信することは素晴らしいことですね。もちろん雌伏の時期と割り切って充電するのもありですが、やはり作家にかぎらず、表現者は知ってもらってナンボです。。。個人的にはここで書かれている「イラストにも絵画にも偏っていない未分化な感性」というのが気になりました。セレクトされている作家さんの絵を見る限りは判断できませんが、このo「イラストにも絵画にも偏っていない未分化な感性」というのが、今後のアートシーンを切り開くカギになっているような気はします。
アカデミックに美術を学んだ人、職人のように技術を追求している人、アニメや漫画の洗礼を受けた人、アール・ブリュット的に自分の中の物を発している人、いろいろな方はいますが、これだけが「ウリ」にはならない時代となってきています。とはいえ、カオスが再整理されコスモスへと昇華していくのか? いや、その流れが真理なのか? アナログとデジタルの融合、カオスとコスモスの先など、気になることはいろいろあります。いや、すでに私の中で答え(仮説)は出ていますので、それを追求した方がいいのかもしれません。
・ ・ ・
少し脱線し過ぎました。
今回の「neo wassyoi」に参加されているのは、以下10名の方々です。
・あきつかおる(ガッシュ、オイルパステル、鉛筆のほか、生活の中にあるものを使って描いている)
・冨岡想(頭に浮かんだ景色をアクリルガッシュやパステルで描く)
・庄司理子(アクリル絵具を用い絵画作品を制作)
・さめほし(アクリル絵具で崩壊や形成を繰り返す少女を描く)
・ミヤタナナ(アクリル絵の具、油絵の具を用いて破壊と再生をテーマに少女を描く)
・齊藤拓未(主にアクリル絵具、色鉛筆を使い、子供時代の感覚や経験をもとに制作)
・てつ(油絵やドローイング、arduindなどを使い、世界の構造を確かめるための作品を制作)
・光(生活している中で感じたことを書き留めるように絵にしている)
・安藤万実(油絵の具で抽象画と女の子を描く)
・きゃらあい(不完全さや汚れたものも、捉え方によっては美しく感じることについて描く)
なるほど。
共通点は「ある一定の水準の美術の教育を受けている」「具象画」「若い女性モチーフ」「規制の枠からハミ出ている」といったところでしょうか。
なるほど。
間違いなく、現在、わりと熱く支持されているアートシーンの条件を満たしていますよね。
そういうことでしょう。
なるほど。
<obキュレーション展「neo wassyoi」>
会期:2020年6月26日~7月17日(金)
開催時間:12時~19時
会場:Hidari Zingaro
住所:東京都中野区中野5−52−15 中野ブロードウェイ 3F
電話: 03-5345-7825
アクセス:JR中野駅北口より徒歩約5分
公式サイト:https://zingarokk.com/
中野「Hidari Zingaro」はKaikai Kiki Gallery の関連ギャラリー
中野「Hidari Zingaro」はは、東京元麻布にあるKaikai Kiki Galleryの関連ギャラリーとして、2010年4月に中野ブロードウェイ内に開廊されました。
これからの可能性を秘めた実験的な現代美術を中心に展示するギャラリーです。
現在、Zingaroグループは中野ブロードウェイ内に異なる個性を持つ店舗を構え、独自のカルチャー空間を作り出してきました。しかし、Bar Zingaroは2020年5月31日を持って7年の歴史に幕を下ろしました。新型コロナのせいばかりにはしていられませんが、アート界の状況はなかなか厳しそうです。
<追記>中野ブロードウェイ「Hidari Zingaro」Obさんキュレーション展、チラリと立ち寄ってきました
Obさんキュレーション展、ホントに短時間ですが、ササッと見てきました。
写真をサクッとアップしておきます。
「Hidari Zingaro」は中野ブロードウェイ3Fにあります。左はディープな本屋さん、タコシェです。
展示はこんな感じでした。
個人的にはミヤタナナさん、さめほしさんが印象に残りました。
さめほしさん『皮膚』(2020)
ミヤタナナさん『BFF』(2017)
では!
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今回の記事は以上となります。
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