『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。
5月28・29日に開催される『第39回 全国ボランタリズム推進団体会議(民ボラ)in東京』の紹介を簡単にしましたが、オープニング全体会で取り上げられる「市民ジャーナリズム」のことが気になったので、少しだけ深堀りしてみました。
参考:【第39回 全国ボランタリズム推進団体会議(民ボラ)in東京】5月28・29日開催
https://www.heart-to-art.net/BLOG/kan-den-chi/voluntaryism-promotion-20220528/
目次
「市民ジャーナリズム ✕ 堀潤」検索で見えてきたものをピックアップ
「市民ジャーナリズム」を少しだけ深堀りするといっても、それだけでは漠然となってしまいます。そこでオープニング全体会に登場する堀潤さん(@8bit_HORIJUN)の名前を絡めて検索してみました。
以下は「市民ジャーナリズム 堀潤」のワードで記事を検索し、目についた記事の中から印象的な言葉を抽出したものです。
◯完全に個人が発信する場「8bitNews」の立ち上げ
現実にはネットで数十万の再生回数があったとしても、地上波テレビのニュース番組に比べると視聴者数も影響力もケタ違いに少ない。また、報道経験のない一般市民にどれだけ正確な情報発信ができるのかという疑問も残る。それでも彼らは、一つでも当事者として発信することが、社会を見る目を変える機会になるはずだと考えている。
引用:【ネット】NHK・堀潤アナウンサーが参加 新たな市民ジャーナリズム「8ビット」(朝日新聞デジタル/2012年8月10日10時20分/筆者:野々下裕子)
http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201208070168.html
魚拓:https://archive.ph/88Ntn
「8bitNews(@8bitNews_PR)」が立ち上がったのが2012年6月15日。今回の講演でのつかみは、「今から10年前に立ち上げました」から始まりそうですね。記事では無編集の映像の発信、実名性を担保した個人記者の発信の象徴的な事例として中田絵美さん(えみむめも/@emi_mumemo)の泣き声が入った映像のことなどが紹介されていました。
記事から10年、ネットと地上波の影響力の差はどのくらい縮まったでしょうね。私は地デジ化した時点でテレビを捨ててしまったので、体感的な比較はできません。テレビを捨てたことで脳が過剰に汚染されずに済んだ部分もありますが、ネットからのニュースにも不完全さを感じている状態です。
◯最初は朝日新聞デジタルの見出しに掘さんの名前はなかった!?
パブリックアクセスのプラットフォームとしての役割を果たそうとしているところや、本人確認のためにFacebookを活用したり、スマホに必ず入っているYouTubeのアプリで投稿できるといった仕組みのところに興味があって記事にしたのですが、掲載された時にはなぜかタイトルに堀さんの名前があってびっくり。即座にお詫びの連絡をしたというのは言うまでもありません。
引用:行く末が気になるとあるジャーナリストのおはなし(NonoMemo〜脳のメモ〜/2013年3月19日/筆者:野々下裕子)
http://no-nomemo.blogspot.com/2013/03/blog-post.html?m=1
魚拓:https://archive.ph/6Luwy
これは最初に取り上げた記事の補足です。記事を取材して執筆された野々下裕子さん(@younos)のブログによると朝日新聞デジタルの見出しに掘さんの名前を出していなかったようですね。まぁ、新聞に限らず見出しは記者個人が付けるケースは少ないはずです。話題性のある人の名前を出すのは当然のことですから仕方ありません。
私が週刊誌の仕事をやっていたときは、副編集長が最終的には決めていました。とはいえ私はわりと一緒に話し合って決めていました。雑誌と比べると、新聞はもっと強気で強引な体質です。なので記者の意思など無視されることも少ないはずです。以前に私も新聞に何度か取材されたことがありますが、過剰にドラマチックなものを求められて辟易した記憶があります。最後は新聞の描いたストーリーに乗っかってもらうように誘導する傾向が強いんですよね。
市民ジャーナリズムは商業的に汚染されていない純粋さがなによりも魅力です。その辺に堀さんも魅力と使命感を抱いたのは容易に想像できます。
野々下さんのブログには掘さんがUCLA派遣から帰国してすぐに退職届を出したこと、ビデオ映画『変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界』(http://unitedpeople.jp/henshin/)についても触れらていました(2014年公開)。
合わせて『変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界』予告編を貼っておきます。時間のある方はご覧になってください。
関連書籍もカドカワさんから出ています。
『変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界』
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◯分断をなくすために必要なこと
「知らない」ということにはいくつかのパターンがあります。一つは、気づいていたが見てこなかった。あるいは、気づいていたが大変そうなので目をそらした。さらに、存在すら気づかない。こうした無自覚や無知が人々の孤立を生んでいるのです。
引用:《コラム》「分断を許さない」ジャーナリスト・キャスター・NPO法人8bitNews代表・堀潤さん(シャプラニール/2021年3月27日/インタビュー:小松豊明)
https://www.shaplaneer.org/column/konohito/210327_vol291_int/
魚拓:https://archive.ph/yqgtf
記事ではメディアの役割、NGOとの協働、分断をテーマに制作した映画『わたしは分断を許さない』などについて語られています。
権力によって地域や人間関係が分断され、可能性や希望が葬られることは多々あります。
インタビューでは原発事故の賠償金について触れられていました。実際、ご近所でありながら無慈悲な線引きによって分断どころか、埋めることのできない溝ができてしまった悲劇はけっこうあります。隣は莫大な賠償金をもらったのに、ウチは一銭ももらってないといった話は、聞いているだけで耐えられないものがあります。しかし、それを見聞きした私たちも陰でボソボソとつぶやく程度が精一杯です。理由は、事実を言うことで誰かが傷ついてしまうことを恐れるからです。真実を明らかにするのは簡単なのですが、憎しみを生み出すだけでは何も解決しませんし、行政はいくら指摘しても知らんぷりです。結局、告発しても疲弊するだけですし、新たに引き起こされる問題の責任も取れません。
しかし……そんな押し殺す気持ちが権力組織の歪な行動を後押ししてしまうわけです。
『わたしは分断を許さない』予告編を貼っておきます。時間のある方はご覧になってください。
関連書籍も実業之日本社さんから出ています。
『わたしは分断を許さない』
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分断の要因は「私」であると掘さんはインタビュー記事で語られています。当事者は深い事情についてなかなか語りません。だからこそ深く寄り添ってアクションを起こしていく市民ジャーナリズムが必要なのかもしれませんし、それを後押しする「私」が必要なのでしょうね。
しかし、少なくとも日本では事を荒立てないことが優先される気がします。伝えることだけで必ず物事が解決するわけでもありません。変化には大きな傷みも伴います。
つい最近、私は地域イベント実施準備にあたり問題が発生し、最終的に大きな被害を受けました。一緒に準備していた地域のボランティア委員さんが不当に組織に虐げられたことが原因です。細かいことは割愛しますが、行政サイドの自己保身と責任放棄の結果、最終的には一生懸命にやられていた委員さんを守ろうとした私が原因でイベントが中止になったという記録だけが公式に残ることとなりました。本来は被害者であるはずの私が加害者になってしまうという流れは恐ろしい話なんですが、じつは地域ではそんなことが普通に起こっています。
こんなことを徹底的に追求していくと、最後は後味が悪くなります。事を荒立てる人はクレーマーになってしまいます。結果、自分も飲み込むしかありません。諦めではありませんが、日本ではうまくスリ抜ける方法が必要なのかもしれません。
◯自ら作り出すこと
人を大切にしてこなかったのか、安定した環境に浸かってしまったからか、一人一人が新しい付加価値を作り出すことが苦手になっている。本当に豊かさを実感したいなら、誰かが作ったものを消費するのではなく、自分が作ったものを広げる。
引用:堀潤さんインタビュー〜大学生にメッセージ (全国大学生活協同組合連合会/2019年度/インタビュー:小島 望&小林和通)
https://www.univcoop.or.jp/activity/action/interview/horijun_04.html
魚拓:https://archive.ph/NdbOV
snsの広がりにより自分発信が自由自在となった現在だからこそ、私たちは積極的に自分の価値観を提示していく必要があるのでしょう。とはいえ闇雲に発信しても、なかなか相手には届きません。やはり発信の仕方も学ぶ必要がありそうです。単に正統的なジャーナリズムの姿勢を勉強するだけではなく、意見に耳を傾けてもらいやすく話を組み立てるテクニックなども習得する必要があるでしょう。また、ツールの使い方をマスターするのも重要です。
掘さんは市民目線で情報を発信するコツについての著作も出されています。
『SNSで一目置かれる 堀潤の伝える人になろう講座』
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◯情報発信力が弱い組織と、その能力が強い人をつなげる
今後は株式会社を立ち上げ、NPOなど情報発信力が弱い組織と、その能力が強い人をつなげるサービスを通し「世の中の良いことをもっと伝えたい」と話す。
引用:横浜平沼高校出身で「市民記者」の活動を支援するNPO法人の代表を務める(タウンニュース/ 2017年1月1日号)
https://www.townnews.co.jp/0113/2017/01/01/363456.html
魚拓:https://archive.ph/3gyod
掘さんがこういったマッチングサービスを行っているのかどうかはわかりませんが、今回の講演ではその辺についても語られるのではないでしょうか。「8bitNews」立ち上げから10年ですので、きっと有能な人材が育ってきているはずでしょうし。
「8bitNews」の現状は?
「8bitNews」は2012年10月10日に認証されたNPO法人です。サイトでは国際、社会、文化、生活、教育、政治、芸術、エンタメなど、幅広い分野の情報を市民が自由に発信しています。
現状で何人の記者が関わっているのかはわかりませんが、「パブリックアクセス」の実現を掲げ「市民の発信力強化」に貢献すること使命に、発信力を身につけた市民の育成を支援する場を提供するメディアを目指しているようです。
詳しくはサイトをご覧になってください(下記画像をクリックすると公式サイトに飛びます)。
「8bitNews」のこれまで、これから
「8bitNews」はどのように展開していくのでしょう。掘さんは年齢的に脂が乗ってきている時期ですね。さらに現在は新時代の節目ともいえます。これから価値観がガラリと変化していくのは間違いありません。
これまでの10年という土台を活かし、これからの10年に「8bitNews」が大きく飛躍していくといいですよね。
「8bitNews」サイトを見る限り、各分野のキュレーター的な責任者の顔がもう少し見えてくると面白いでしょうし、積極的に才能をハンティングするのもいいかもしれません。ネットには才能の塊みたいな人がゴロゴロいますから。
とはいえ掘さん一人で切り盛りするには時間的な制約があるでしょう。
すでにいらっしゃるのかもしれませんが、ジャーナリズムに造詣が深く経営手腕も発揮できるような人がグッと前に出てくると面白くなってくるような気がします。例えば、宮崎駿さんにとっての鈴木敏夫さん、本田宗一郎さんにとっての藤沢武夫さんのような存在です。
私も場末のサイトで偉そうに適当なブログ記事を書き散らしているのではなく、しっかり自分の道を見据えていく必要がありそうです。
そもそもカンデンチとは、杉並社協のイベントタイトル「関伝地」のことです。2011年に私が提案した言葉でもあり、キャラも必要だとアピールして使われました。「関伝地(カンデンチ)」とは、関わり、伝え合い、地域力をアップさせる)」精神を模索し、具現化し、地域活動の充実や広がりを目指して付けました。振り返ってみると、私も10年ほど前に伝えることが不足していることに危機感を抱いて提案したわけです。
しかし・・・現在はあまり使われることなく、私がそれを守る形で使っています。しかし、私も活動していないです。。。
市民ジャーナリズムと掘さんのことを調べていくうちに・・・最後は自戒の念に駆られてしまいました。ちゃんちゃん。いい気づきの機会になったことに感謝!
では!
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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