『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。静岡県では県の歌に合わせてロダンの彫刻のポーズをまねる「ロダン体操」というものがあります。
目次
百聞は一見に如かず! これがロダン体操だ!
ん? ロダン体操?
なにそれ??
初めて耳にする人も少なくないかもしれませんね。「ロダン体操」とは、静岡県浜松市出身の現代美術家・高橋唐子(たかはし・とうこ)さんによって作られたアートな体操です。
静岡県の歌「しずおか賛歌 富士よ夢よ友よ」の歌に合わせてロダン彫刻のポーズを真似するものです。
静岡県で国体が開催されることに合わせて新しい美術プログラム立案が要請される中、静岡県立美術館が高橋唐子さんに依頼。2003(平成15)年9月に誕生しました。
百聞は一見に如かずです。
まずはご覧になってください。
これです。
ロダン体操(静岡県立美術館)
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/rodin/gym/
いかがでしょうか。
リンク先には「ロダン体操ができたきっかけ」「広まった経緯」「ねらい」「体操としての効果」「正しいポーズのやり方」などが丁寧に紹介されています。
じっくりご確認ください。
登場するロダン彫刻のポーズは全9種類!
さて、登場するロダン彫刻のポーズは全部で9種類です。
ポーズとなった作品を簡単に紹介します。
(1)「ジャン・デール」のポーズ
まずは「ジャン・デール」のポーズです。
これです。
身体の前方に握った両手を突き出し、身体全体で伸び上がっているポーズです。
ジャン・デールとは、1888年に完成した「カレーの市民」の中の一人です。
「カレーの市民」という作品は、イギリス・フランス間での『百年戦争』で英国に包囲された港町・カレーの勇者たちを題材にしています。町の人々を救うために処刑された6人の勇者たちの像です。
死への恐怖に打ち震える者、絶望感で頭を抱える者、沈痛な面持ちの者……その中でジャンデールは凛々しく現実を受け入れようとしているように感じさせられます。
エディションの第一番は、カレーの市庁舎前に飾られています。日本では国立西洋美術館でその完全体を見ることができます。
静岡県立美術館にあるのは完成前に作られた習作です。
とはいえ、習作を馬鹿にしてはいけません!
静岡県立美術館のジャン・デールの習作は完成品とセットで見る価値があります。
その理由は……
じつは完成品はこの肉体は衣で隠されています。完成品では唇を固く閉じ、決然として前を見据える姿から意思の強さを感じ取ることができますが、試作品を見ると、その不自然に力んだ肉体からジャン・デールの葛藤がひしひしと伝わってきます。
全身の筋肉が隆起し、力が漲っている様子を見ることができるのは感動的です。握りしめた両手は捻れています。不自然に力が入っているのがはっきりわかりきわかりロダンの真骨頂といえる作品であり、ロダンファンならずとも必見の逸品です。
歴史書によると、ジャン・デールは二人の美しい娘を持つ誠実な商人でした。人質になるため、二番目に名乗り出たと記されています。そういったエピソードを知ると、より一層ジャン・デールの葛藤が感じられます。
(2)「ピエール・ド・ヴィッサン」のポーズ
続いて「ピエール・ド・ヴィッサン」のポーズです。
これです。
ジャン・デールと同じように紹介していくと、途方もない文字数になっていきそうなので、以後のポースはできるだけ簡単に紹介します。ご了解ください。
ピエール・ド・ヴィッサンはこの後に紹介するジャックの弟です。
状態をひねりながら右手を前へ持ち上げ、首を不自然に伸ばし、表情だけではなく全身で苦悶するポーズは、人間の不安と恐怖がじつに雄弁に語られています。
(3)「ジャン・ド・フィエンヌ」のポーズ
「カレーの市民」の中では、最も美しく仕上げられている「ジャン・ド・フィエンヌ」のポーズです。
これです。
掌を上に向け、まさに無情なお手上げ感を出しています。「ジャン・ド・フィエンヌ」のポーズの裸像は名古屋市新栄にあるヤマザキマザック美術館にあります。なかなかの美男子です。
記事はゆっくり追記していきます。
このままゆっくりだと埒が明きませんので、掲載サイトを紹介しますので、そちらをご覧になってください。
「ロダン体操」体操の仕方
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/rodin/gym/
彫刻のことを調べると、かなり面白いです。この「ロダン体操」に出てくる彫刻もそれぞれに歴史がありますし、エピソードも知らないことばかりでした。
彫刻は侮れませんね。
最後に出てくる「考える人」は正面のポースが有名ですが、背後の質感も抜群です。静止したポーズにダイナミズム、人生を感じさせてくれるロダンの彫刻は、見事です。
静岡県立美術館のロダン館は、一生のうちに一回は行っておいた方がいいでしょう。
静岡県立美術館とパリの国立ロダン美術館の交流
静岡県立美術館がロダンの作品を購入したのは、1988年のことでした。その後、1991年には「考える人」の寄贈を受け、ロダンの作品展示や普及活動に力を注いだことから、パリの国立ロダン美術館との交流が始まったそうです。
最初に「カレーの市民」6体を購入した金額が気になるところですが、とにかくこれはスゴイことです。
ロダン館には「地獄の門」をはじめとして32点のロダンの彫刻が展示されておりますが、さらにロダン以前・以降の彫刻も合わせて展示され、全部で51点もの彫刻作品を鑑賞することができます。
その作品購入費の総額は約19億とも20億ともいわれています。
静岡県立美術館の芸術に注ぎこむエネルギーはものすごいですね。
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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