『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。今年は寒いですね。インフルエンザの患者数も例年よりも早ペースで増えている模様です。カウントダウンイベントや初詣など、人混みに行かれる人はお気をつけください。
多くのアーティストたちに愛された新宿「ポルトリブレ」
2005年4月にオープンした新宿二丁目のギャラリー&フリースペース「ポルトリブレ」。昨日、2017年12月28日に12年と8ヶ月ほどの歴史にピリオドが打たれました。
最終企画は『ポルトリブレ 蚤の市 Last Waltz』。閉廊時間を過ぎても他ギャラリーの搬出などを終えた作家さんたちが集まり、最後の宴が続きました。
『ポルトリブレ 蚤の市 Last Waltz』
最後の集合写真(浪川恵美さん提供)
「ポルトリブレ」が多くのアーティストたちに愛された理由は、やはりオーナーの平井勝正さんの人間的魅力に尽きます。
自らもアーティストとして作品を制作し、芸術の造詣も深く、アカデミックな引き出しも多く、社会に対する明確な意志も持っている平井さんだからこその求心力です。
「ポルトリブレ」の看板
「ポルト」はポルトガル語で「港」、「リブレ」はスペイン語で「自由な」という意味です。
「ポルトリブレ」は、経済用語の「自由港」(港湾の全域あるいは一部を外国とみなす制度)の精神をベースに付けられました。
ホームページを拝見すると、「自由」という言葉に対するこだわりも触れています。
free art space PoRtoLibRE ポルトリブレサイト
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/portolibre/
ここで言う「自由」は決してアメリカの言うそれではなく、人間の本質としての自由、人種・民族・国籍・ジェンダー・年齢・宗教・その他の様々な差別・選別から遠く離れた『自由』の意味です。ですから、その自由を脅かすファシズム・レイシズム・極端な原理主義などは拒絶します。
普段、平井さんは優しい雰囲気を漂わせていますが、確固たる芯を持ち、毅然とした姿勢があるところが大きな魅力です。(ホームページより抜粋)
表現に対する大きな理解や信念を平井さんが持っているからこそ、アーティストさんも居心地が良かったんでしょうね。
えええっ? ここでギャラリーやるんですか??
じつは私が「ポルトリブレ」の場所を訪れたのは、まだギャラリーがオープンする前でした。
新宿ゴールデン街「フラッパー」関連の流れで、『ハート・トゥ・アート』でお世話になったフィンガーペインティングの故・松井さん、舞台美術などを手がけていた村井さんと三人でお邪魔しました。時期がいつ頃だったのかは覚えていません。きっと2003年後半あたりだったと思います。
平井さんと村井さんが「新しく壁面作って、裏に荷物を置けるようにして……」みたいなやりとりをしてるのを横で聞きながら、「ホントにここでギャラリーやるんですか??」みたいなことを思った記憶があります(失礼!)。
新宿2丁目のわかりにくい場所だし、集客にかなり苦労するんじゃないのかな??? なんて思ったからです。
しかし、そのときに感じた印象は思いっ切りハズレましたね。
結果的にギャラリーはセンス良く仕上がり、平井さんの魅力と相まって……長く愛され続けるアーティストたちの安らぎの場となりました。
平井勝正さん
再開の願いを込めつつ……ポルトリブレ最終日の様子を映像でお届け
パーティーのラストを締めくくる平井さんの歌(尾崎紀世彦『また逢う日まで』)を映像で撮ったので、ポルトリブレの入口や階段、展示の様子、岩田さんハーモニカによる森山良子『今日の日はさようなら』などをつなげたものをyou tubeにアップしました。
記憶も大事ですが、記録も大事ですから。
行きたくても行けなかった人も多いと思いますので、雰囲気だけでも味わってもらえれば幸いです。
映像はできるだけその場にいらっしゃる方が入らないように撮っていますが、映像に入っちゃっている方もいます。許可なしでアップしてゴメンナサイ!!
ビルの取り壊しという不可抗力で閉廊を余儀なくされた「ポルトリブレ」ですが、平井さんは新たなギャラリーをはじめる気持ちは持っていらっしゃるようです。
平井さんからラストメッセージをいただこうかと思ったんですが、今日がホントに最後の最後って感じでもありませんでした。
いつのことになるかはわかりませんが、きっと再スタートされることでしょう。
大袈裟に悲しむよりも、いつの日か新しい「ポルトリブレ」がオープンする日を楽しみにした方がいいんでしょうね。
ではでは、平井さん、お疲れ様でした!
シャッターを下ろす前の平井勝正さん
<参考>
平井勝正さんのお兄さんである平井玄さんは作家さんです。『愛と憎しみの新宿 半径一キロの日本近代史 (ちくま新書)』は半世紀に渡るポルトリブレ周辺のディープな新宿の歴史が紹介されている一冊。赤線・青線から現在のゲイタウンまでの変遷を知ることができます。
『ぐにゃり東京―アンダークラスの漂流地図』は日本の成長と共に生み出された「社会の歪み」を独自の視点で語る一冊です。
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今回の記事は以上となります。
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