中野駅北口(ブロードウェイ側)から右手、中央線に沿って東中野方面の細道を進んだ場所にある「ギャラリー街道」。ここはインディペンデントパブリッシャー&ギャラリーで、定期的(週末土日オープンが基本)に写真展示が行われています。2023年11月25日からは岡部文さんの写真展「YOU AND ME」が開催中です。
まずはDMからご紹介。
写真以外は何もありません。写真家のDMらしいです。
目次
酒場での出会いを切り取った展示〜タイトルは「YOU AND ME」
最初にDMに書かれていた展示案内の言葉を紹介します。
10人も入れば満席になるスナックでひとり店番をしています。
そんなこともあり、街へ出ると(パトロールと称して)酒場を探します。ママとずっと二人きりで帰るきっかけを失ったり、緊張してうまくくつろげなかったり…。自分の働くカウンターの中でも外でもやっていることはさほど変わりません。
DMの写真はパトロールのワンシーンなのでしょうか。スナックのママが見送っている姿に見えます。実際のところはわかりませんが、雰囲気的には地方のお店といった空気感が漂っています。
スナックに対して抱くイメージは人それぞれでしょうが、「場末のスナック」という言葉が頭に浮かぶ人は少なくないかもしれませんね。
なんとなく寂しく、なんとなく少しばかりハードルが高く、なんとなく大人の好奇心を刺激するのが私のスナックのイメージです。「これしか持ってないから、これだけ分を飲ませてね」。こんなことを言いながら若い頃は1万円を握りしめながら意を決して知らない怪しげな飲み屋さんをハシゴしたものです。そんなハラハラ感で入った店でユニークな人と出会い、意気投合して、、、みたいな時間を過ごすことが楽しい時代がありました。
いまでは飲みに行くこと自体が激減し、出会いを求めることも少なく、お店を選ぶときにはネットの情報を確認するというありさまです。そんな日常ではワクワク感も減っていくばかり。いつしか無味乾燥な人生になってしまいました。
話が少し脱線してしまいました。
岡部 文さんの写真展「YOU AND ME」は、飲み屋さんで味わえるワクワク感を思い出させてくれました。
◯写真家・岡部文さんとの縁
ギャラリー街道にお邪魔したのは2度目です。2回とも偶然です。前回も今回もたまたま自転車で横道を走っていて気になって入っただけです。のぼりが偶然目に入って、でもチャリで飛ばしていて通り過ぎたけれど、思い直して戻って入ってみるというパターンも一緒でした。
「あれ? なんか記憶に残っている」
入ってみると作家さんに既視感があります。不思議に思いつつ、以前の記憶を呼び戻しながら作品の雰囲気を感じ、展示物を見て、やっと思い出しました。
偶然にお邪魔した前回も岡部文さんの展示(2022年8月〜岡部 文写真展「それからそれから」)でした。
岡部文さんとは縁があるようです。
『袖振り合うも多生の縁』という言葉がありますが、出会いとは面白いものです。
展示詳細
岡部 文 写真展「YOU AND ME」
会期:2023年11月25日(土)、26(日)、12月2日(土)、3日(日)
時間:13〜19時
※原則土曜日・日曜日のみオープンなので注意
会場:ギャラリー街道
住所:東京都中野区中野5-14-5 ハウスポートB1
アクセス:JR線「中野駅」北口から徒歩約5分
公式サイト:https://kaidobooks.jimdofree.com/
facebookページ:https://www.facebook.com/gallerykaido/
X(旧ツイッター):https://twitter.com/GalleryKaido
マップ:https://kaidobooks.jimdofree.com/map-information/
「多少の縁」から生まれた「他生の縁」の楽しさを伝える展示
岡部さんの展示は酒場での縁(出会い)を組み合わせたものでした。
B0サイズのプリントを背景に使い、小さな額装4点を配置させるセットが5つ。
メイン写真には、「飲みかけの日本酒にビール」「貫禄たっぷりのママ」「場末感が漂う露地」「狭いカウンターに整然と配置されたししゃも」「雑然とした店舗の一角」が使わています。いわば飲み屋さんの日常風景といったところです。その背景写真に店員さんやお客さんの普段着の表情が添えられることで、酒場での縁の楽しさがじわりと広がっています。
※すべての画像は別画面で開くと拡大されます。
ししゃもが唇、上の額装2点がサングラスのようにも見えますね。意図的なのかどうかはわかりませんが、組み合わせの妙があります。
ニヤリとさせられたのがハートの付箋を使ったキャプションの言葉。
「今日はどうしたの? と常連客に間違われてニコニコされる」
「スナックではなくスタンドという呼び名が死んで入ったら、レミ風」
その他、強烈な薔薇プリントシャツにルイ・ヴィトンのベルトが印象的な店主や、まるで屋外で撮ったような(実際は大判プリントを背景に撮影した)ニコニコおじさんの不思議なハートマークなど、味のある人物ショットにほっこりさせられました。
『袖振り合うも多生の縁』という言葉以外にも、縁に関した言葉があります。それは『一樹の陰一河の流れも他生の縁』。意味は「知らぬ者同士が、雨を避けて同じ木陰に身を寄せ合うのも、あるいは同じ川の水をくんで飲み合うのも、前世からの因縁によるもの」というものです。
今回の展示に当てはめると、「一店の陰一酒の流れも他生の縁」といえるでしょう。
縁について難しいことを語る気はありませんが、岡部さんの展示からは「多少の縁」から生まれた「他生の縁」の不思議な楽しさが伝わってきます。
偶然立ち寄ったのが2度とも岡部さんの展示だったというのも、楽しい縁ですし。
中野に行かれた方はぜひ。
ギャラリー街道について
ギャラリー街道はビルのB1にあります。オープンしている時には、のぼりが立てられているようです。
JR線の線路沿いの壁画を眺めながら進むと、のぼりと看板が現れます。
ギャラリー街道は2つの空間。手前には作品集などが置かれ、奥が展示スペースとなっています。作品写真はネオン照明のため赤かぶりになっています。
年内には 佐藤春菜写真展「シャボン玉を追いかける」 (12月9日~12月17日)、12月末には毎年恒例の「第4回街道 年忘れ ひと箱蚤の市」(12月22〜24日)が開催されます。
「ひと箱蚤の市」では掘り出し物が見つかるかもしれません。ぜひ!
以上
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今回の記事は以上となります。
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