『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。
展示紹介です。
目次
如月愛「Naru」横浜元町中華街ギャラリーart Truth/2023年01月29日〜02月05日
三重県志摩市へと活動の拠点を移した如月愛さんの個展です。毎年恒例の「横浜中華街・春節」のタイミングに合わせての展示となります。
今回の「2023春節」は第37回目となります(←クリックすると関連ページに飛びます。以下同)。いまだコロナは終息しておりませんが、パレードなども3年ぶりにリアル開催されるようです。きっとにぎやかな雰囲気になっているのではないでしょうか。
さて本題です。
まずは如月さんのツイートからご紹介。
幾年の時を越え、海に浮かぶ持主無き
用途を無くした筏は、繋ぎを解かれ大量の漂流物となっていく。2021年その朽ちかけた丸太である「ナル」に出会い運ばれ、作品という一つの形に残す旅を私は始めた。その廃材でもある「ナル」を使用した立体作品と写真、絵画、十数点の新作展示。#AiKisaragi pic.twitter.com/5owBr5umZq— Ai Kisaragi (@Kisaaaaa14) November 29, 2022
今回の個展タイトルの「Naru」は、「ナル」と読みます。
ツイートにも書かれていますが、筏の丸太のことです。
筏というのは、真珠養殖の筏のことです。
これです。
引用:ともに「真珠筏と工場」(伊勢志摩観光ナビより)
https://www.iseshima-kanko.jp/spot/1483
ご存知の通り、伊勢志摩は世界で初めて養殖真珠に成功した場所です。ミキモトパールの創業者である御木本幸吉氏が天然真珠の乱獲からのアコヤ貝絶滅を危惧し、養殖に挑戦したのがきっかけです。幸吉氏は失敗に失敗を繰り返した末に真円真珠(丸い粒状の真珠)を養殖で生み出すことに成功しました。
アコヤ貝が体内で真珠を育てることは、かなりストレスがかかるそうです。伊勢志摩の恵まれた自然からの栄養をたっぷり摂るだけでは、しっかりした真珠は誕生しません。常に穏やかとはいえない海でアコヤ貝を赤子を育てるように見守るためには、「真珠養殖の筏」が欠かせません。いわば「真珠養殖の筏」はアコヤ貝にとって揺り籠のような存在というわけです。
・ ・ ・
気になるのが現在の真珠養殖の状況です。
現実は厳しく、真珠業者は激減しているようです。そして「真珠養殖の筏」も使われないまま役目を終え、繋ぎを解かれ、大量の漂流物となっているのが現状です。
志摩市へ移住した如月愛さんは、朽ちかけた丸太「Naru(ナル)」と出会い、土地の人々と出会い、いつしか「Naru(ナル)」を作品という形に残す作業を始めることとなりました。
では、展示の基本情報からお伝えします。
まずは案内の画像から。
◯展示会タイトル
如月愛個展・Naru
◯会場
横浜中華街「ギャラリー artTruth」
◯展示期間・時間・休みなど
期間:2023年1月29日(日)〜 2023年02月05日(日)
時間:11:00~19:00(最終日 17:00まで)会期中無休
入場料:無料
内容:
幾年の時を越え、海に浮かぶ持主無き
用途を無くした筏は、繋ぎを解かれ大量の漂流物となっていく。
2021年、その朽ちかけた丸太である「ナル」に出会い運ばれ、作品という一つの形に残す旅を私は始めた。今回はその廃材でもある「ナル」を使用した立体作品と写真、絵画、合わせて十数点の新作展示となります。
◯本人在廊予定
あくまでも予定ですが、初日1月29日、後半の2月4日、5日は在廊予定だそうです。他に平日にも1日程度いらっしゃるようです。
◯会場アクセス
住所:横浜市中区山下町112-5 日絹パークビル1F
電話番号:045-263-8663
公式サイト:http://www.yccp.jp/art-truth/exhibition/20230129.shtml
アクセス:JR根岸線石川町駅より徒歩約7分、みなとみらい線元町・中華街駅(3番出口)より徒歩約5分
http://www.yccp.jp/art-truth/information.shtml
MAP:
◯作家プロフィール
Ai Kisaragi
2010年「時間と記憶の旅」をテーマとし創作を開始。 絵画にとどまることなく作品が持つエネルギーと即興に重きを置き最後の一枚描いたとき「わからなかった」と言いたい。
【作品傾向】
2010年~「椅子の根」「富士山」、2012年から質感の強い赤の混じるブラックペインティング、さらに2018年よりソーラーパネルを使用しレディメイドぺインティング作品を制作。共に無機質に大地に広がり続けている「黒」と「人間」の関係を表現。2021年より大量廃材となる真珠養殖筏と出会い作品制作をしている。 2017年伊勢志摩にて自身でリノベーションしたアトリエ、ギャラリーを構える。
【海外】
VERGE ART FAIR NEW YORK2011, RED DOT ART FAIR2013など多数。
直近ではFOCUS ART FAIR LONDON 2021に出展。
【国内個展】
art Truth (横浜)2011年より毎年開催。K’s galley (銀座)、GalleyG2(銀座)、彦坂尚嘉企画個展(藤沢)など。
三重志摩市での作品
TOBI hostel&apartments 303号室壁画制作完成
Nakiri lifestyle innovation project
garbage collection #1 2019年完成
garbage collection #2 2021年完成
stop by joe 大型作品所蔵( 筏 外門、室内作品) 2022年完成
zom 大型作品所蔵 black paintin 3つの鏡 2022年完成
the circle satellite 大型作品所蔵 Asyl(筏作品) 2022年完成
安乗灯台上田商店カフェ内所蔵 ストリートピアノ 2022年完成
作品は「旅の途中を形にしたもの」であり、エコでも町おこしでもない
今回の展示は「Naru(ナル)」を使用した立体作品が核となるのでしょうが、他にも伊勢和紙に印刷した写真、鈴鹿墨と伊勢和紙による素描など、三重の空気感が楽しめる内容になりそうです。
「Naru(ナル)」を作品化するのは、今回が初めてではありません。地元の地域再生を目的としたカフェでは、外門や室内に数十本の「Naru(ナル)」を使った大型の作品を完成させています(参照:「志摩市波切にカフェ新店 16年間閉じていたシャッター上げ地域ににぎわい創出」(伊勢志摩経済新聞)https://iseshima.keizai.biz/headline/3707/)。
ここで誤解してほしくないのは、「Naru(ナル)」を使った制作は、エコでも、町おこしでもないということです。それは、あくまでも如月さんの「旅の途中を形にしたもの」であり、エコや町おこしとは無関係なものです。
如月さん本人は、『運ばれた』という言葉をよく使われます。
今回の展示は、まさに志摩に運ばれ、出会い、運ばれ、また出会って……といった一連の流れの中での通過点になるものです。
もしかすると今回の展示で何かと出会い、どこか新しいこところに運ばれていくのかもしれません。
・ ・ ・
ツイッターを見ると、【筏】の今までのストーリーをリツイートしながら個展案内をするそうです。
こちらです。
2021年、伊勢志摩で制作することとなった真珠養殖筏廃材作品の個展が2023年1月29日から伊勢志摩を出て横浜にて開催されます。新作小品展となりますが、この【筏】の今までのストーリーをリツイートしながら個展案内をさせていただきます。御来廊お待ちしています #個展 #AiKisaragi #wreckedpearlreft
— Ai Kisaragi (@Kisaaaaa14) January 24, 2023
如月さんの旅の軌跡の投稿を追いながら展示を想像すると面白いかもしれません。
では、また追記します!
今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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