『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。5月4日ですか。天気いいですね。
朝にアップした須田さんの訃報を追記しておきます。私ができることは、須田さんとの思い出を“書ける範囲で”伝えることぐらいしかできません。
目次
“日本のファーブル”“赤門のシーラカンス”で知られた須田孫七さん
先月、杉並が誇る昆虫博士・須田孫七さんが亡くなられたそうです。
これは以前、東大の研究室にお邪魔した際に撮ったものです。5年くらい前だったでしょうか。
とても気さくで、“日本のファーブル”“赤門のシーラカンス”とも呼ばれた名物先生でした。
たまたま息子さんの須田研司さんにお会いして訃報を知りました。残念です。
須田さんのことは、また追記します。
ここから追記。
「杉並メダカ」や「NHKドキュメント」で一躍有名になった杉並の「昆虫博士」
須田孫七さんを一躍有名にしたのはNHKの人間ドキュメント『おれは日本のファーブルだ!?(1997年9月23日放送)』。
参考)NHKアーカイブス https://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2007/h070722.html
さらに2007年12月、須田さん宅で飼育されていたメダカが杉並区内では絶滅したと思われていた純血種の野生メダカだったことがDNA鑑定によって判明し、それが「杉並メダカ(正式名称:ミナミメダカ)」と命名された話題でしょう。
須田さんは大学卒業後に理科教諭となり、40年近く教鞭をとってらしたはずです。その後も昆虫研究の第一人者としての活動だけにとどまらず、自然環境団体への協力や自主的な野外活動などを続けていらっしゃいました。
お会いしたときに予定をうかがった際、売れっ子タレント並みのスケジュールに驚かされた記憶があります。
足腰も強く、一緒に街中を散策したときにもズンズンと先を進む感じだったことを覚えています。
話術も非常に長けていて、次から次へとクイズや過去のに体験したエピソードなどを織り交ぜながら話を進めていく方でした。頭の中に蓄積された記憶の引き出しを次から次へと出してくれる印象を受けました。
当時は東京大学総合研究博物館協力研究員を務めていらっしゃっていて、「学生からは“赤門のシーラカンス”と呼ばれているんだよ」と笑いながら話す姿から、きっと世代に関わらず多くの人から愛されている人なんだろうなぁ……なんて感じました。
現役の“昆虫少年”のまま生き続けた須田孫七さんは好奇心の塊だった
須田さんが昆虫好きになったのは、幼少期の頃。ありとあらゆる昆虫に興味を持たれたようです。
まぁ、これは普通ですが、須田さんの凄いところは“昆虫少年”のような非常に瑞々しい好奇心をずっと持ち続けてきたことでしょう。
この理由に関しては皆目見当がつきませんが、小学校時代に昆虫好きな先生と巡り会ったことが大きな理由のひとつなのかもしれません。
須田さんの横にあるのは、「間違い桜」。
「間違い桜」という名前は、須田さんが勝手に付けたものです。
アリの観察に夢中になっている須田さんが、この桜の前で地面に這いつくばっていたら救急車を呼ばれそうになったそうです。
気になったらなりふり構わずに行動する須田さんの好奇心の強さを感じさせるエピソードです。
総点数約10万点! 膨大な須田昆虫コレクションは東京大学総合研究博物館に寄贈
須田さんの最も偉大な業績は、1940年代から収集された約10万点、標本箱数1000箱以上もの昆虫コレクションです。
2003年に東京大学総合研究博物館に寄贈されました。
ありとあらゆる昆虫が収集されており、さらに収集範囲も全国にとどまらず台湾や熱帯アジア、ヨーロッパなど、国外にまで及んでいます。
とくに東京エリアの充実度は随一。過去から現在まで継続して収集された標本はほとんど現存していないそうなので、東京都の“昆虫相”を知ることができる唯一の標本群ともいえます。かなり貴重です。
とにかく整理が大変という話をされていました。もしかして現在も整理が続けられているかもしれません。
昆虫好きな人は東京大学総合研究博物館のデータベースをご覧になってください。
参考)東京大学総合研究博物館「昆虫」http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/DDoubutu/TDoubutu.htm
一部を見せてもらいましたが、標本の状態も良く、かなり美しかったです。
アート系でも昆虫作家は増えていますが、実際に標本を見たらヤバイと思います。とにかく細部まで知ることができるので、感動的な生命の美しさを知ることができます。
ちなみに須田さんの訃報を知ることになった息子さんの須田研司さんの標本、ヘラクレスオオカブトの標本写真を載せておきます。
カッコイイです。
多摩六都科学館で息子さんの須田研司さんを見かけて声をかけ、訃報を知る
西東京市に「多摩六都科学館」というのがあります。
By Fujie0511 [CC BY-SA 4.0], from Wikimedia Commons
1994年に開館し、世界トップレベルのプラネタリウムがあることで知られています。2012年には当時の最新鋭投映機「CHIRONⅡ/ケイロンⅡ(五藤光学研究所製)」が導入され、「最も多くの星を投影できる先進的プラネタリウム」としてギネス世界記録に認定されています。
なんと! 世界最多の1億4,000万個の星を投影することができるそうです。
何度かここでプラネタリウムを見ていますが、ここのプラネタリウムは眠くなりません。他のプラネタリウムは寝ちゃうんですけど……汗。
多摩六都科学館公式サイト
https://www.tamarokuto.or.jp/
・ ・ ・
5月3日に野暮用?で多摩六都科学館に行く機会がありました。
須田さんの息子さん、須田研司さんがここで働いているのは知っていました。
今年、須田さんファミリーから届いた年賀状に「秋に心肺停止・救急搬送、4回のオペで回復。入院中12キロ痩せたという」メッセージが書かれていて気になっていたので、「もしかしたら会って、状態を聞けるかな?」と淡い期待を持ちつつ施設に向かいました。
ちょうど「ミニ昆虫展」が開催されていました。会場はGWのせいもあり大混雑。いつの時代も昆虫は子どもに人気のようですね。
先程ヘラクレスオオカブトの標本を紹介しましたが、会場でさまざまな標本を見つつ、かたわらに目をやると横には「須田」の名札を付けた男性が。
そこで声をかけ、須田孫七さんの訃報を知ることとなりました。
年齢的には80代後半のはずです。。。お会いしたときの元気な様子を知る限り、まだまだ元気に活躍されていかれると思っていましたが。。。
仕方ないけど、やろうと思ったことは、すぐにやることが必要か……
先程、アート系でも昆虫作家が増えていると書きましたが、知っている昆虫系作家さんと須田さんのコラボをやりたいと思っていましたが、実現しないままで終わってしまいました。
やろうと思った時にやらないとダメですね。
とはいえ、タイミングもあるから仕方ないともいえます。
昆虫とは別に非常に印象に残っている話がいくつかありました。それをもう一度、突っ込んで聞きたいと思っていたんですが、それもそのままになってしまいました。
それは、須田さんのお父様の話、敗戦後の大きな世の中の変化、高尾山で出会った手塚治虫さんの話などです。
これだけネットに情報が溢れていても、どこにも出てこないような貴重な逸話がいくつかあったんですよね。
冒頭で“書ける範囲で”としたのは、この部分なんです。でも、やはり細かく書くわけにもいかないのでヤメにしました。記憶もちょっとおぼろげになってしまったですし。。。
ん〜〜〜〜〜〜、そんなことも含めて、非常に残念です。。。
しかし、仕方ありません。
須田さん、お疲れ様でした。。。
少しでも須田孫七さんという“永遠の昆虫少年”の魅力が伝われば幸いです。
なかなか手が回りませんが、いつか以前やっていただいた公演の映像を発掘して、話されたことを書き残したいと思います。
以上!
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今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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