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自分が熱中した作品を中心に、昔から気になっていた「音楽アルバムのアートワーク」を紹介します。音楽に関して記憶がかなり風化してきているので、その確認もかねた備忘録的内容です
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目次
まさにアートな一枚! ロックミュージックの価値観を変えた『クリムゾン・キングの宮殿』
『クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)』は1969年に発表されました。プログレを代表する一枚です。このジャケットは誰もが目にしたことがあることでしょう。かなりのインパクトですもんね。
いまさらどんなことを書いても陳腐になってしまいますので、一言だけアルバムを初めて聴いたときの印象を書いておきます。
初めて耳にした「21世紀のスキッツォイド・マン」の衝撃たるや凄かったでした。あとは「エピタフ(墓碑銘)」のドラマチックな世界観が最高でした。自分の先輩バンドをはじめ多くのアマチュアバンドでコピーされていた記憶が強いです。
前衛的とか、革命的だと評されているアルバムですが、私的には「音楽」という部分よりも「音自体」の体験に魅了されました。自分なりにイメージする音の幅がグッと広がった一枚でした。
「こんな音が音楽になるんだぁ!」みたいな感じでした。
私自身の音楽体験の歴史はクラシックや映画音楽から入ってきています。そんな流れから、ロックはエキセントリックな部分が強く、どうしても格下のイメージが非常に強かったでした。しかし、プログレとの出会いは自分の中でロックというジャンルの地位を思いっ切り引き上げてくれました。まさに誇らしい存在だったといえます。
歌詞世界も素晴らしかったわけですが、当時はそこまでは感じ取れる感性はありませんでした。
即興演奏のイメージを最悪にしたクリムゾンのブートレッグ
そんな誇らしい存在でもあったプログレです。当然、興味を持ったクリムゾンのブートレッグを何枚か聴くことになります。しかし、延々と続く、ロバート・フリップのつまらないギターワークに幻滅させられました。いま聴き直すと違った印象になるのかもしれませんが、とにかくダラダラ感が酷かったです。
「インプロヴィゼイション(即興演奏)っていうのはダメだな……ただの自己満足で、音の羅列に過ぎないじゃん!」なんて印象を子ども心に植え付けられました。その後、ジャズやフュージョンとの本格的な出会いで即興演奏のイメージは変わることになりますが、しばらく即興演奏に関しては否定的な時代が続いてしまいました。
『ローリング・ストーン』が選ぶ史上最高のプログレ・ロック・アルバム50では第2位
2015年6月にアメリカの音楽誌『ローリング・ストーン』で発表されたプログレアルバムTOP50では第2位でした。
ちなみにTOP10はこちら。
1位: Pink Floyd /『DARK SIDE OF THE MOON』(1973)
2位: King Crimson /『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』(1969)
3位: Rush /『MOVING PICTURES』(1981)
4位: Pink Floyd /『WISH YOU WERE HERE』(1975)
5位: Yes /『CLOSE TO THE EDGE』(1979)
6位: Genesis /『SELLING ENGLAND BY THE POUND』(1973)
7位: Jethro Tull /『THICK AS A BRICK』(1972)
8位: Can /『FUTURE DAYS』(1973)
9位: Genesis /『LAMB LIES DOWN ON BROADWAY』(1974)
10位:Yes /『FRAGILE』(1971)
こういうランキングって面白いですけど、どうでもいい話ですよね。視点によってかなり違ってきますし。しかし、『クリムゾン・キングの宮殿』はどんなランキングでもベスト3からは外れない名盤として認識されている一枚です。
『クリムゾン・キングの宮殿』概要
■収録曲
・21世紀のスキッツォイド・マン(21st Century Schizoid Man including Mirrors)
・風に語りて(I Talk To The Wind)
・エピタフ/墓碑銘(Epitaph including March For No Reason and Tomorrow And Tomorrow)
・ムーンチャイルド(Moonchild including The Dream and The Illusion)
・クリムゾン・キングの宮殿 (The Court of the Crimson King including The Return Of The Fire Witch and The Dance Of The Puppets)
■レコーディング・メンバー
・ロバート・フリップ(Guitar)
・グレッグ・レイク(Lead Vocal & Bass)
・イアン・マクドナルド(Keyboard、Saxphone、Mellotron、Woodwind & Backing Vocals、vibraphone)
・マイケル・ジャイルズ(Drums、percussion & Backing Vocal)
・ピート・シンフィールド(Words and illumination、lyrics)
■セールス
全英オフィシャルチャートでは最高5位、全米ビルボードチャートは28位というのが通説。ビートルズの『アビイ・ロード』をチャート1位から蹴落としたアルバムというのはデマです。
■音楽的特色
メロトロンを導入したサウンドが特徴的。メロトロンはム-ディ-.ブル-スやイエスなどでも多用されました。
■歌詞について
作詞はピート・シンフィールド。彼の予言的な詩があったからこそクリムゾンはより光り輝き、現在も評価され続けている気がします。とくに「エピタフ」は多くのアーティストにカヴァーされたようです。ザ・ピーナッツ、フォーリーブス、西城秀樹などまでカヴァーしていたとは、かなり驚くべき事実です。
ジャケットはイギリス人の青年、Barry Godberが描いた「断末魔の叫び?」
見開いた恐怖におののく瞳、大きく歪み開いた口、拡張した鼻孔、極度の緊張状態を思わせる赤い顔が強烈なインパクトのジャケットです。まるで断末魔の叫びを上げているようにも見えますし、恐怖に脅えて声も出ないような雰囲気も感じさせます。
この絵を書いたのは、イギリスの青年、Barry Godber(バリー・ゴッドバー)。
バリー非常に英国人らしい青年で、チェルシー・アート学校で勉強していたアーティスト。当時はコンピューターのプログラマーもしていたらしいです。同僚だったピーター・シンフィールドが依頼ました。
ジャケットワークを完成させ、アルバムがレコード店に並んだ直後の1970年2月にバリーは24歳の若さで亡くなってしまったそうです。
出典:「Barry Godber (British, 1946-1970)」
http://www.batguano.com/bgma/godber.html
レコード店に並んでいる様子
出典:「ON THIS DATE 48 YEARS AGO(DGM LTD)」
https://www.dgmlive.com/news/itcotck%2048%20years%20old
死因は不明ですが、当時のレコード店での写真を見る限り、非常に誇らしい気分だったことでしょう。
なんたって20代前半ですもんね。
いや、どうしても「若いのに凄いなぁ……」みたいなことを言ってしまいがちですが、実際は年齢ってあまり関係なかったりしますが……。
ちなみに原画は現在、ロバート・フリップが所有しているそうです
オレがプロモーターだったら、ロバート・フリップを招聘して、さらに原画展も行いたいくらいです。
最後にジャケットの表面と、中面のアートワークをご紹介します。意外と知らない人も多いんじゃないでしょうか。
中面の顔は、なんだかヨーダとかETっぽいですよね。
記事参考:「Barry Godber (British, 1946-1970)」
http://www.batguano.com/bgma/godber.html
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今回の記事は以上となります。
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