出演者&関係者からのメッセージをご紹介します。
■永田砂知子さん
如月さんと一緒にやったのは5回くらいです(注1)。如月さんの印象は「危険な人」です(笑)。普段は静かな印象ですが、一度舞台に上がるとかなりやばい、いい意味でやばいです。
(台本がありながら、即興性も重視したパフォーマンスを意識した「Na-Ni-Ka」について)
台本はあっても無きがごとし、なので、ほとんどアドリブのパフォーマンスだと思っています。まあこういうのは、台本がしっかりしているから良いものができる、とは限らないし、自由にやるのが良いと思います。ただし、その場の空気をキャッチできる感性の鋭いメンバーでないと成立しないです。決め事は守られない場合が多いので(音楽の即興ライブでも同じことが言えます)、本番何が起こるかは誰にもわかりません。
(今回のテーマは砂漠ですが)
砂漠、というより砂、という文字を見た瞬間に、反応してしまいます。砂漠・・・砂・・・砂の女(注2)・・・安部公房・・イメージの連想ゲームが続いていきます。砂、砂漠、から受けた印象を音にできるといいな、と思っています。
今回は私の音を狂わせたいと思い、音響のきゅうり君にお願いしてあります。どんな風になるのかはまだわかりませんが、気にしてもらえると嬉しいです。さらに今回新たに参加してくれる舞踏の睦美さんが、いままでの空気をどう変えてくれるのか期待しています。
(注1)2014年5月、如月さんの個展にて初共演。その後、同年8月「まんまるくん展示」内でのイベント、2015年1月「まんまるマロン展示」内でのイベント、同年5月の個展、前回の「Na-Ni-Ka」公演の5回。
(注2)安部公房の『砂の女』は1962年に発表され、20数ケ国語に翻訳されるなど海外でも高い評価を受けた。この作品によって世界的な作家の地域を確立させた。安部には『砂漠の思想』 という著作もあり、創造の源を感じることができる。
■小西徹郎さん
如月さんとのパフォーマンスは6回目になります(注3)。そして「Na-Ni-Ka」は3回目。
「Na-Ni-Ka」には台本があるので、何かしら影響を受けることになるかと思います。なので、たとえ「考えなくても」何かしらの関連やつながりは出てくるかと思っています。テーマの「砂漠」についても同様です。本番で 、音やパフォーマンスでうったえかけようと考えております。
少しでも興味をもってもらい、次につながっていき、このシリーズがもっと盛り上がっていくことを期待します!
(注3)今年、小西さんは如月さんと渋谷や江古田で「Sing to Red moon 朱い月に歌ふ」公演を2回行っている。その記録映像(ロングダイジェスト版)はこちら。
■睦美さん
如月さんは静けさのなかに狂気を秘めている、魅力的な方だと思いました。まるでポール・デルヴォー(注4)の女性のような。
私は今回初めて参加させて頂くのですが、これまでの「Na-Ni-Ka」について、あえて聞かないようにしました。その日その場に確かに居る、という事に尽きると思います。何が起こるかは本当に未知の世界。その場に生まれるものこそが即興の醍醐味だと思います。
テーマが砂ということで、私は砂時計を思い浮かべました。自分の身体の中を砂が落ちてゆく感覚、音が染み込んでゆく感覚、蟻地獄のような怖さ、果てしない闇の時間を行き来したいと思います。
4人が紡ぐ「Na-Ni-Ka」がどのような景色か、見るのではなくお客様も一緒に体験して欲しいと思います。アクションではなく、リアクションが大切です。見せるのではなく受け取って、繋がる事を大切にしたいです。 何が起こるか本当に楽しみです!
(注4)ポール・デルヴォーはダリやマグリットと同時代を生きた、シュールレアリストの一人。数多く作品に登場する女性像は、若いときに別れた女性を描いているといわれ、デルヴォー自身も「私の絵の中で描かれる女性たちは、女神であり、ミューズなのです」と答えている。静寂さの中に幻想的な世界が広がる作風から、「幻想画家」と表されることもある。
ページTOPへ移動