『ハート・トゥ・アート』渡辺(@heart__to__art)です。今日はクリスマス。一人でパソコンとにらめっこです。それもまた楽し、です。せっかくなので最も影響を受けているバンド、チープトリックの最新クリスマスアルバム『Christmas Christmas』を聴きながら書いてます。
目次
即興の醍醐味を味合わせてもらった如月愛さん企画「Na-Ni-Ka」
今回で4回目となる如月愛さん企画・演出の「Na-Ni-Ka」は、懇親会も含めて無事終了しました。
出演者の一人、永田砂知子さんがfacebookで的確に全体の状況を書かれていたので、それを紹介させてもらいますね。
「チベットホルンとうなるようなシンギングボールの低音から始まった音は静かに森のなかをさまよい、鳥たちの声や、時々夜空の星も見えたりしているうち、後半はどーんと暗やみに入り、徐々にエネルギーが高まって終盤に向かい終わった、、、という感じでした。
・・・
音が終わったあと、緊張した空気がそのまま支配したまま固まっていた時間が数分間あった。そのあいだ、だれも拍手せず、全員が固まっていた。
あと数分続いていたら、私はいきなり台詞を言って会場を歩こうかと思っていたところだったが、、そのまえに如月さんが動き出してカーテンが開き、ラストとなった。それでもシーンとしていたので、寧呂さんが「終わりです」と人間ではない声で言った声がとてもかわいかった。
ラストのあの時間、おもしろかったな。
・・・・・・・・・」
全体を俯瞰しながらその場で感じたことを表現することは即興表現の醍醐味です。でも難易度も高いです。永田さんが「台詞を言って会場を歩こうかと思っていた」と書かれていましたが、私も「さて、どうしたものかな・・・」なんて思いつつ固まっておりました。
同じように出演者それぞれが「自分がなすべきこと」を考えていたと思いますし、お客さんも「どうなるのかな?」などと感じながら神経を集中させていたのではないでしょうか。
パフォーマンスの様子。舞踏の寧呂さんが開場時間から掃き掃除で登場したこともあり、徐々に空間が異次元へと移行していきました。
エレキ波紋音の永田砂知子さん(左)とトランペットの小西徹郎さん。二人は最初の「Na-Ni-Ka」から如月さんをガッチリとサポートする存在です。
今回は木枠に透明ビニールを張り付けた壁面を使い、表裏両面に縦横無尽にライブペインティングを行った如月愛さん。
終演後、出演者の記念写真。
如月さんの壁面(表)。
如月さんの壁面(裏)。
即興とは「フロー状態」の先に現れる「闇」の中から見つける光
前回のブログ(https://www.heart-to-art.net/BLOG/event/na-ni-ka-0040/)で<それぞれが最大のポテンシャルで工夫やチャレンジ、対話、戦い、助け合い、刺激など、「なにか」のやりとりを行うプロセスこそが、「Na-Ni-Ka」の醍醐味であり真骨頂であること。それは創造性が発揮される「フロー状態」を体感させてくれるパフォーマンスである>と書きました。
そして直前情報として<舞台の空間自体をあまり暗くしない>ことを書きました(https://www.heart-to-art.net/BLOG/event/nanika-kisaragi-ai-0046/)。
出演者には本番に関して何ひとつ約束事はなく、段取りらしいことはゼロ。決め事は「終わったら私が舞台背後のカーテンを開ける」程度のものでした。
迎えた本番。
予定調和を排除した中で、即興の神(創造の神)が少し振り向いてくれたような気がしました。
先程、ラストの状況に少し触れましたが、ラストに流れる空気は非常に不安定で混沌とした「闇」のような状況だったと思います。
即興とは、「フロー状態」の先に行くと立ち塞がってくる「闇」の中から生まれるものなのかな? その「闇」の中から光を見つけることなのかな? なんてことを感じました。
自己模倣の繰り返しを排除する「Na-Ni-Ka」には、一期一会の魅力がある
乱暴な言い方をすると、エンタメは予定調和の共有の要素が強いと感じています。観客が「待ってました!」と喜ぶスタイルは私も大好きだし、否定はしません。
しかし、売れれば売れるほどアーティストたちは大いなる自己模倣を強要されてしまいます。そこには発見は当然あるはずはなく、静かな絶望の流れに身を任すこととなります。
売れ続けるためには迎合は必要悪ですが、アーティストとして創造性を発揮するためには一期一会の悟りや感覚が必要だと感じています。
一期一会は、千利休による日本の美意識を象徴する言葉です(正確には一期一会という言葉は千利休の弟子である山上宗二が記し、井伊直弼が広めたそうです)。
如月さんがどこまで掘り下げて考えているのかは私もわかりませんが、千利休が考えたような一期一会の精神……「繊細さ」「微妙さ」「ゆらぎ」「変化」などを察知する対応力を追求していこうとしているのかな? そんなことを再確認した今回の「Na-Ni-Ka」でした。
少なくとも片付けを終えた後の顔はかなりスッキリしてましたから。
「きっと、ニュートンがリンゴを木から落ちた時に気づいた後もこんな感じの顔だったかな?」なんて思ったりもしました(苦笑)。←ちょっと例えがヘンかもしれない(汗)。
次回以降の「Na-Ni-Ka」がどのような展開になるのかはわかりませんが、屋外あたりでやるのがいいんじゃないのかな? なんて勝手に思ったりしています。
いずれにしても2018年以降の動きが楽しみです。
サロンのような居心地のいい懇親会だった、と思います
公演終了後、そのままワンコイン懇親会となりました。
また永田さんのfacebookから拝借します。
「パフォーマンスの余韻のなかで、みなさんとゆっくりお話し、交流することができました。バシェのマルティさんもご夫妻できてくださったので、バシェのことも話題にできましたし、Na-Ni-Ka常連の和泉さんのお誕生日のお祝いもサプライズであったりして、楽しい時間を過ごすことができました」。
実際、私はパーティーの準備でその場にほとんどいなかったので、参加者がどのような会話をされたのかは不明です。しかし、空気感的には「表現が話題の中心となったサロン的な懇親会」になっていたように感じています。
乾杯の様子。
最後まで残った人たちと記念撮影。
個人的には以前からお世話になっている和泉昇さんのプチ誕生会ができて良かったです。
バースデーケーキに「まんまるくん」を描く如月さん。
かなり雑だったけど、サプライズケーキ。ちなみに私は子どもの頃から料理番組(とくにお菓子系)を見るのが好きだったのです。
無理にリクエストして夏さんとケーキ入刀ポーズをキメてもらいました。
会場の「SOOO dramatic!」は、『ワクワクみつかる、現代の公民館』
会場の「SOOO dramatic!」は、台東区入谷にあるフリースペース。キャッチフレーズは『ワクワクみつかる、現代の公民館』。多種多様の催し物が行われています。2階はアーティストたちのアトリエになっていますので、なかなか刺激的な企画が多いようです。
気持ちよく、利用させてもらいました。
台東区は文化の拠点的な施設も多いですし、「アートリンク」も長年行われています。台東デザイナーズビレッジも有名ですよね。
人が集い、にぎやかなイメージがする「SOOO dramatic!」看板。
週末は予約でいっぱいみたいですが、現在、「SOOO dramatic!」は「入谷割&NPO割」という平日利用のスペース利用料が25%OFFプランを実施中。平日利用がチャンスです。詳しくはホームページをご覧になってください。
ホームページ
http://sooo-dramatic.com/
子どもを守る神「入谷鬼子母神」の鬼の字がヘン!?
「SOOO dramatic!」のすぐそばに「入谷鬼子母神」があります。
雑な映像を作ってみました。
よく見ると「入谷鬼子母神」の鬼の字が少しヘンです。
気づきましたか? そうなんです! 「ツノ」がないんです。
子どもを守る神なので、「ツノ」がとられているそうです。
「SOOO dramatic!」に行かれた際は、ぜひチェックしてみてください。
岡倉天心によって100年前に示されていた日本人が持つ即興の真髄
ついでに書き添えておきます。
日本文化の美意識を伝えるものとして海外で読み継がれている『茶の本』は、岡倉天心が英語で著し、1906年に『The Book of Tea』としてニューヨークで刊行されました。
岡倉天心〜茨城県天心記念五浦美術館蔵
その中で岡倉天心は美意識の在り方として「故意に何かを仕立てずにおいて、想像のはたらきでこれを完成させる」と表現しています。
日本人が持つ即興の真髄は、すでに100年前には岡倉天心によって示されていたんですよね。
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今回の記事は以上となります。
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